血液内科

 血液内科では、悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器悪性腫瘍と再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫性疾患を含む血液疾患全般にわたって、診断・治療を行っています。当科は鳥取県西部地区+島根県東部地区の約60万人の診療圏に対応した中心的医療機関です。3月には、山口医師が米国に留学され、4月から西井医師が新たに加わり、4名体制でスタートしました。ただ、9月末には西井先生が医療センターに異動となり、3名体制と苦しい体制となりました。
  新外来患者数98名(前年度比4名増)、延べ外来患者数5624名(前年度比148名増)、新入院患者数191名(前年度比21名減)、延べ入院患者数4693名(前年度比1372名減)と前年度と比較して増減がありますが、外来診療へのシフトが続いております。分子標的薬や抗体医薬を含む新規薬剤の登場で、入院することなく外来で積極的治療をしている患者数が昨年度に引き続いて増加しています。今後も、地域の血液患者様のご要望にお応えできるよう努力してまいります。

■最新標準治療プロトコール
 白血病、悪性リンパ腫などの造血器悪性腫瘍については、患者・家族との相談の上、
 患者様の要望に応じた最適な治療を行っています。その他の再生不良性貧血、本態性血小板減少症などの自己
 免疫性疾患や骨髄増殖性腫瘍に対しても国際的なガイドラインに沿った治療法を実施中です。

■自家末梢血幹細胞移植
 多発性骨髄腫初発例や悪性リンパ腫再発例に対して自家末梢血幹細胞移植を併用した超
 大量化学療法を施行し、生存期間延長を目指しています。

■末梢血幹細胞採取
 輸血部と連携し、造血器腫瘍を対象にG-CSF投与後に成分採血装置を用いた末梢血幹細胞
 の採取・保存を施行しています。

■血液細胞核酸増幅同定検査とフローサイトメトリー検査
 検査部と連携し、造血器腫瘍の診断や微小残存病変のモ
 ニタリングのために遺伝子検査やフローサイトメトリー検査を導入しています。

                                            (本倉 徹)