検査部

検査部では、高度な医療提供を支援する臨床検査のため、部員の資質技能向上を目指しています。

専門知識を有する臨床検査技師が、多項目検査測定装置による血液検査、細菌学的検査などの検体検査や生理機能検査を、高品質の臨床検査により保証し安心・安全な診療に貢献しています。

Ⅰ.質の高い臨床検査の保証


1.検体検査(微生物検査部門、生化学・免疫血清検査部門、血液検査部門、一般検査部門、輸血検査部門)

微生物検査部門は、感染対策チーム(ICT)に参画し検出菌の週報、月報情報の集計処理を行い、感染制御部と連携しながら臨床各科に感染症情報提供を行っています。毎週の感染症カンファレンスに参加、カンファレンス記録作成、ICT病棟ラウンドなどの院内感染制御活動に参画しました。

感染防止対策加算Ⅰ、感染防止地域連携加算に伴い感染制御部に専任する技師の業務は質的要求度、業務量ともに増加しています。資格取得では認定臨床微生物検査技師を1名取得しました。

生化学・免疫血清部門は自動分析装置による迅速報告に取り組み外来診療を支援しています。外来迅速検査加算対象項目については、検査所要時間調査を定期的に行い迅速報告の検証を行っています。

血液検査部門は、知識の習得と技術向上をはかり骨髄検査の質向上に努めました。血液学の専門資格は認定血液検査技師を25年度1名が新たに取得し5名の認定血液検査技師になりました。

一般検査部門は261月の検査情報システム更新時より、顕微鏡による尿沈渣精査検体について、尿中有形成分装置の機械法結果の迅速報告を行う、外来診療支援システムを構築しました。

輸血検査部門は、安全な輸血が行える輸血検査、輸血業務体制を継続しています。血液型検査、交差適合試験は、緊急時にも対応できる24時間検査体制で取り組んでいます。時間外緊急輸血検査の2425年の件数は、20822873件であり25年度は前年度比800件の増加がありました。

中央採血室の採血患者数は232425年度は76418名、8068083652名の採血件数でした。外来採血は8時より4名、830分からは最大8名の採血者による採血を行っています。車椅子の来室患者数も増加し、受付要員による案内、介助の機会が増えています。



2.生理部門(心電図検査、呼吸機能検査、超音波検査、聴力検査、神経生理学検査)

生理検査部門では、生理機能検査室改修工事を完了した検査室で業務を行いました。多くの患者さんから明るく、清潔感が感じられる等、好評をいただいています。

検査件数では、超音波検査は25年度も引き続き件数増加が高くなりました。新規検査として257月より血管エコーとして下肢動脈エコー2枠、腎動脈エコー1枠を開始しました。

検査技師による超音波検査の検査実績は232425年度は、心臓エコーは74513692021件に増加しました。腹部エコー829893911件、頸動脈エコー784、8921005件でした。下肢静脈エコー99011221093件、甲状腺エコー(内分泌、耳鼻科)122363500件に増加しました。心臓エコー、下肢静脈エコーや頸動脈エコーは病棟出張件数も増加しました。25年度の目標として心臓エコー検査術者の育成に努めました。資格取得は、超音波検査士循環器領域1名、血管領域1名あわせて2名が取得しました。

循環器機能検査は、167851805119157件に増加しました。聴力検査は、新生児の聴力検査である新生児聴力検査(AABR)も出張検査として実施件数が伸びています。資格取得は、中級聴力検査技術者1名を取得しました。

Ⅱ.未来の力を育てる

検査部員には、教育プログラムによる学会発表、論文発表を指導し全国、地区、鳥取県内の学会研修会に講演、発表、論文発表を行いました。検査部勉強会を毎月一回開催し臨床検査国際認定ISO15189、宿日直検査、採血関連、などの研修を行い、質の高い臨床検査を保証する人材育成を実践しています。

Ⅲ.臨床検査情報発信

チーム医療への参加では、糖尿病支援チームに2名が参加し、糖尿病教室で糖尿病に関する血液検査と動脈硬化の超音波検査を講義しました。栄養サポートチーム(NST)2名が血液検査値の分析を行いました。NST療法士研修会、院内NST看護師研修会の講義を行いました。

25年度の鳥大病院健康ミニ講座は血液検査、生理検査の2回の講義を行いました。また、臨床検査を理解していただくため、検査項目を解説や検査部からのお知らせを載せた「検査部だより」を毎月1回定期発行しています。「検査部だより」は、検査部ホームページにも掲載を行っています。



H25年検査部年報1

 

(検査部 原 文子)