輸血部

鳥取大学医学部附属病院では、鳥取西部地区において使用する血液製剤の約5分の2が使用されており、隣接する日本赤十字血液センター西部出張所から、在庫分については血液製剤の供給が迅速に行われています。こうした血液製剤を取り扱う輸血部門では、技師が専従し、患者検体、血液製剤の確認作業を幾重にも行っております。平成25年度には、診療システムの更新が行われたため、輸血に関してもシステムの大幅な更新作業を行いました。これまで個々の症例の病歴にのみ記載されていた輸血副作用のチェック体制を一新して、血液製剤出庫ごとに副作用をチェックして結果を輸血検査部門に返送するシステムを導入しました。輸血指示が明瞭に表示されるようになり、これまで無駄な輸血指示時の照合作業を廃止し、実施時照合の徹底を図りました。また、輸血後感染症検査の徹底を図るため自動的に検査時期にアラートを表示させ、患者様にも輸血後感染症検査を周知するよう文書を輸血同意書とともに配付することといたしました。輸血後感染症検査のB型肝炎ウイルス検査については、より高感度の検査(感度が2.5 log未満から1.5 log未満に改善)に変更いたしました。取り違い防止のため、自己血バッグの表示については手書きではなくプリントアウトされたIDを使用するよう改善しました。輸血実績は総単位数で7.6%ほど増加し、同様に、血液型検査や抗体スクリーニングもそれぞれ昨年度比7.9%増, 5.9%増となりました。自己血の実績は284単位と6% 低下しました。 今後も血液製剤を有効利用するとともに、安全・安心な輸血療法の実施に努めてまいります。

(本倉 徹)

輸血部統計(平成25年度)

(1)検査

検査項目

件数

血液型

赤血球不規則抗体スクリーニング

赤血球不規則抗体同定

直接クームス試験

間接クームス試験

交差適合試験(本数)

交差適合試験(件数)

7,836

7,756

70

61

57

5,030

2,743



(2)血液製剤輸血実績

製剤

            

単位数

1単位

2単位

4単位

5単位

10単位

15単位

20単位

赤血球濃厚液-LR

全血-LR

洗浄赤血球-LR

血小板

FFP

168

0

0

0

60

3,273

0

6

0

1,624

 0

0

0

0

41

3,441

6,714

0

0

6

12

0

1,202

0

0

1,202

12,020

220

1,945

4,572

単位数

228

9,806

164

13,120

23,318

(3)成分採血・末梢血幹細胞

患者数

延べ採血数

血液内科

6

9

泌尿器科

0

0

小児科

0

0

     6

        9     

(4)自己血

輸  血  実  数

200ml

400ml

単位数

整形外科

女性診療科

泌尿器科

麻酔科

歯科口腔外科

小児科

皮膚科

0

0

0

0

0

0

0

63

78

0

0

0

0

1

126

156

0

0

0

0

2  

0

142

284