高次集中治療部

高次集中治療部第一ICU

当院の第一集中治療室の患者さんは半分以上が手術後です.

術後の回復を促すために,私たちは,より早い人工呼吸器から離脱,より早い飲水,食事の開始,より早い立位,歩行の開始を目指しています.これには患者さんご自身,またご家族の協力が不可欠です.患者さんたちも手術の次の日くらい寝ていたいとお考えかもしれませんが,呼吸器合併症や深部静脈血栓症といった術後合併症を減らすためにも,昼間は起きて,夜ぐっすり眠るというメリハリのある生活をしていただくためにも,ぜひご理解,ご協力をお願いいたします.

もちろん,身体的に無理がないか常に近くで見守っております.また痛みがあっては動けませんので,痛いときは遠慮なくおっしゃって下さい.点滴や機械がたくさんついていては動けないとお思いでしょうが,いらない点滴や管はより早期に抜去いたします.ただし安全に,日々近くに医師,看護師がいて評価しております.

ご意見,ご感想ありましたら,遠慮なくおっしゃって下さい.                    

(高次集中治療部 南ゆかり)


 

第一ICU入室患者

入室患者

382

性別

男性

(%)

257

(67)

女性

(%)

125

(33)

予後

生存退室

(%)

354

(93)

死亡退室

(%)

28

(7)


第一ICU入室患者の年齢

1歳未満

(%)

9

(2)

1から9

(%)

32

(8)

10歳代

(%)

10

(3)

20歳代

(%)

11

(3)

30歳代

(%)

18

(5)

40歳代

(%)

12

(3)

50歳代

(%)

38

(10)

60歳代

(%)

94

(25)

70歳代

(%)

85

(22)

80歳代

(%)

64

(17)

90歳代

(%)

9

(2)

    計

382

(100)

平均 

59

中央値

65

第一ICUの入室期間

1

(%)

34

(9)

2

(%)

109

(29)

3

(%)

91

(24)

4

(%)

34

(9)

5

(%)

29

(8)

6

(%)

17

(4)

7

(%)

19

(5)

814

(%)

33

(9)

1521

(%)

7

(2)

2228

(%)

4

(1)

29日以上

(%)

5

(1)

    計

379

(100)

平均 

5

中央値

3

第一ICU診療科別入室患者数

心臓血管外科

(%)

182

(48)

消化器外科

(%)

36

(9)

脳神経小児科

(%)

23

(6)

小児科

(%)

20

(5)

血液内科

(%)

15

(4)

循環器内科

(%)

15

(4)

胸部外科

(%)

14

(4)

乳腺内分泌外科

(%)

12

(3)

耳鼻咽喉科・頭頚部外科

(%)

11

(3)

泌尿器科

(%)

9

(2)

消化器内科

(%)

7

(2)

皮膚科

(%)

7

(2)

整形外科

(%)

6

(2)

呼吸器内科・膠原病内科

(%)

5

(1)

脳神経外科

(%)

5

(1)

女性診療科

(%)

4

(1)

歯科口腔外科

(%)

4

(1)

小児外科

(%)

3

(1)

神経内科

(%)

2

(1)

精神神経科

(%)

1

(0)

救急科

(%)

1

(0)

合計

379

(100)

ICUⅡ、HCU年次統計

 本統計は平成2541日から平成26331日の間にICUⅡあるいはHCUに入室した患者を対象としています。複数回入室している患者様は延べ数として全ての入室について計上していますが、それぞれの病棟内での部屋移動や、退室当日中の再入室については1回の入室として扱っています。なお、この期間に入室患者数が0だった診療科については割愛しております。

ICUⅡの入室患者数は、延べ1,429名でした。内訳は男性869名、女性560名で、年齢は897歳(平均67.1歳)でした。在室日数は150日(平均3.6日)で概ね例年通りですが、本年度の緊急入室は297例で全体の20.8%とやや減少しており、救命救急センター病棟の拡充に伴って外来患者の収容が整理されつつある影響と推定されます。診療科別では、消化器外科、心臓血管外科、胸部外科、脳神経外科、泌尿器科など外科系各科の入室数が多く、予定手術後の通常入室の割合が多くなっています。一方で、内科系各科では緊急入室の割合が高く、在室日数が長くなる傾向にあります。疾患および診療科の特性によるものと思われます。月別では緊急入室数も含めて910月がやや少なく、12月がやや多い傾向にありますが例年ほどの大きな波は無かったようです。

HCUの入室患者数は、延べ806名でした。内訳は男性409名、女性397名、年齢は1598歳(平均65.9歳)でした。在室日数は188日(平均4.2日)で、こちらも概ね例年通りでした。緊急入室は362例で全体の44.9%と例年並みでした。診療科別では、消化器外科、脳神経外科、乳腺内分泌外科、循環器内科、胸部外科の順に多く、比較的低侵襲な治療後に一般病棟へ移動するまでの前病棟的な役割が見てとれます。その一方で人工換気管理から離脱できず在室が長期化する患者様も多く、例えば、呼吸器膠原病内科における平均在室日数は10日を超えています。月別では、910月の入室例がやや少ないのはICUⅡと同様ですが、12月も入室例が減る傾向があります。例年も同様であり、年末年始休業に伴う影響かと思われます。

本年度もICUⅡおよびHCUは、予定手術後早期の全身管理を担う一方で、一般病棟で発生した急変例を受け入れる立場にもあり、ICUⅠや救命救急センター病棟から一般病棟への橋渡し的な役割を任される病棟として運営されました。急性期の通過点となる病棟であるが故にベッドコントロールには各診療科・各病棟との臨機応変な連携相談の上に成り立っており、必ずしもスムーズな調整ができないことも多かったようです。それでも、各診療科の担当医、日当直医、病棟医長の皆様や、各病棟・ベッドコントロールセンターの師長、主任、担当看護師の皆様の、深い御理解と御協力を得てこそ何とかやって来れているように感じます。

今後とも、より円滑な病棟の運用が皆様との協力で得られることと、それが患者様方の利益につながることを願います。

(高次集中治療部 高野周一)

表1.ICU2診療科別統計

ICU①

2ICU2疾患分類別統計

ICU②

表3.ICU2月別統計

ICU③

表4.HCU診療科別統計

ICU④

 

表5.HCU疾患分類別統計

ICU⑤

 

表6.HCU月別統計

ICU⑥