病理診療科群
外来部門
スタッフ
加藤信介 鳥取大学医学部附属病院病理診療科群神経病理診断科・科長
兼任 鳥取大学医学部附属病院・診療教授
瀧川みき 鳥取大学医学部附属病院病理診療科群神経病理診断科・副科長
業務
2013年4月、鳥取大学医学部附属病院に、日本で初めて神経病理診断科が創設され、同年9月より神経病理診断外来業務が本格的に開始された。2014年2月には日本神経病理学会により、神経病理診断科は日本神経病理学会認定施設に承認された。当該科が特筆すべき点は、50年以上の長い伝統を持つ鳥取大学医学部脳神経病理学講座(現脳病態医科学分野)の実績を基盤とし、神経内科、脳神経外科、脳神経小児科、整形外科、精神科や遺伝子診療科、次世代高度医療推進センターの神経系遺伝性難病担当部門等と連携しながら、神経難病を含む神経系疾患の患者に対して、神経系疾患に特化したより高品質な神経病理診断が実施されていることである。この当該科の創設により、高度かつきめ細やかな神経病理診断診療サービスが可能になっている。
神経病理診断科は、病理診断科と共に、毎週月・水曜日の2日間、予約外来日を設定しており、2013年9月1日の外来開始以来、診療予約外来患者数は2名であった。実際の診療場面では、スタッフ2名の医師が看護師立ち会いの下、実際のガラス病理標本の供覧を実施するための顕微鏡モニターとコンピューターによるパワーポイントを使用しながら、患者に病理所見に基づいた病因・病態を含めた説明を十分な時間をかけて実施している。さらに、当該外来に対する満足度を評価するために、外来受診患者にアンケートを施行している。これまでのアンケートでは、「自分の病気の理解が深まった」「自分の疾患がどんなものかよく分かった」といった満足度の高い回答をいただいており、おおむね好評である。
今後の展望
病理診療科群神経病理診断科の母体である脳病態医科学分野は、神経難病、特に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)新規治療薬の開発を研究プロジェクトの一つとしている。当該プロジェクトは2012年晩秋に日本における特許取得(特許第5110536号)を成功させ、翌月には米国においても特許取得(特許US8318792B2号)を可能とした。この特許知的財産を基に臨床に応用すべく、ALS新規治療に対する臨床治験を視野に入れている。
参照:医学部脳病態医科学部分野ホームページ: http://www.med.tottori-u.ac.jp/noubyou/5993.html
文責 瀧川みき