第三内科診療科群
第三内科診療科群は呼吸器疾患及び膠原病の診療を担当しています。呼吸器疾患に関しては年々肺癌が増加しており、入院だけでなく外来での化学療法にも力を入れています。
膠原病には肺病変が合併することも多く、当科では呼吸器、膠原病の専門分野の垣根なく全医師が共同で診療にあたっております。
外来では呼吸器疾患として気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患などの割合が高く、より専門性の高い腫瘍、アレルギー、膠原病に関しては専門外来も開設しております。専門外来には遠方からの紹介も多く、平成24年の外来受診者は1日平均89人となっております。
入院では、平成24年の新入院818名でしたが、そのうち肺癌を中心とする胸部悪性腫瘍が約半数を占め、間質性肺炎、喘息、呼吸器感染症などの非悪性呼吸器疾患が3割程度、全身性エリテマトーデス、各種血管炎などの自己免疫疾患・膠原病が2割程度となっています。また当院は結核病床を持つ数少ない大学病院のひとつですが、平成24年には17名の結核患者の入院を受け入れております。
当科で行う主要な検査のひとつが呼吸器内視鏡検査です。この検査は主にびまん性肺疾患や肺がんなどの悪性疾患の診断に用いられます。平成24年10月~平成25年10月までの1年間の呼吸器内視鏡件数は423件で、肺末梢病変に対する生検が254件と最も多くなっています。また、平成24年より局所麻酔下胸腔鏡検査を導入し、悪性胸膜中皮腫、結核性胸膜炎など特に診断が難しい胸膜疾患の診断精度が劇的に向上しています。
肺癌治療においては、胸部外科、放射線治療科と週1回のカンファレンスをもち、個々の症例を検討し適切な治療方針を決定しております。肺癌の化学療法は主に当科で行っておりますが、近年では外来での化学療法が一般的になり、平成24年度の外来化学療法はのべ800件を超えるにいたっております。
今後も最新の診断技術、治療法を迅速に取り入れると同時に、独自の研究も進め、地域の中核医療施設として診療レベルの向上に努めていきたいと考えています。