小児科

 第4代教授の神崎 晋が就任して14年となります。当科では、診療、教育、研究の各方面において幅広い活動を続けています。

 小児医療は、胎児・新生児医療から思春期・成人医療を含む総合医療であり、即ち成育医療として多様な医療体系を呈しています。診療面におきましては、全国的に専門分化が進み、各専門分野における必要充分な知識および技術を有した診療が要求されます。このような情勢のもと、当教室では、各専門分化とともに小児の総合医療を実践するために日々努力を重ねています。

 外来診療は、一般外来と専門外来で構成されています。一般初診および再来は平日午前のみですが、午後以降の救急時は、当番医が対応しています。専門外来は、循環器外来(月曜日午前・午後、金曜日午前)、肝胆膵/消化器外来(火曜日午前)、内分泌・代謝外来(水曜日午前)、血液・悪性腫瘍外来(水曜日午前)、フォローアップ外来 (木曜日午前)、乳幼児健診外来(木曜日午前)、腎・泌尿器・膠原病外来(金曜日午前)に分けられています。

 小児総合病棟は、中国地方・山陰地区の小児医療を総合的に担う診療部として重要な役割を果たしています。小児総合病棟は、小児内科系と小児外科系の枠を越えて診療各科が共同して診療が行われています。動脈管開存症に対するカテーテルintervention術、白血病、悪性腫瘍に対する造血細胞移植や経皮的肝生検・腎生検などをはじめとする、各専門領域における高度医療が行われています。今年度、拡充された総合周産期母子医療センター新生児部門は、12床の新生児集中治療施設(NICU)を含む27床を有し、中国地方の新生児医療の中核施設として機能し、年間250例前後の病的新生児の管理が行われています。多胎児や出生体重1,000g未満児の管理に加えて、当院外科系各科の協力のもと外科系疾患に対する治療も積極的に行っています。

 近年、小児医療は、多様化しており、糖尿病、肥満や高脂血症などの生活習慣病にも対応する必要があり、これらの疾患にも対応しています。長期の入院生活を強いられる患児に対しては、就学年齢の児を対象とした院内学級が小児総合病棟に常設されおり、就将小学校、湊山中学校から教員を派遣していただいています。また、今年度から未就学児を対象とした専任保育士によるケア(場所:新設プレイルーム)を開始しました。

今後も診療、研究ともに高度医療を担う地域の中核施設としてさらなる研鑽を重ね小児医療の発展に貢献したいと考えています。      

(文責 上山潤一)