検査部では、高度な医療提供を支援する臨床検査のため、部員に技能向上の継続的教育を行っています。専門知識を有する技師が、多項目検査測定装置による血液検査や生理機能検査を質の高い臨床検査により保証し安心・安全な診療に貢献しています。

Ⅰ．質の高い臨床検査の保証

1.検体検査(微生物検査部門、生化学・免疫血清検査部門、血液検査部門、一般検査部門、輸血検査部門)

微生物検査部門は、感染対策チーム(ＩＣＴ)に参画し検出菌の週報、月報情報の集計処理を行い、感染制御部と連携しながら臨床各科に役立つ情報提供を行っています。また毎週の感染症カンファレンス参加とカンファレンス記録作成、ＩＣＴ病棟ラウンドなどの院内感染制御活動に参画しました。感染防止対策加算Ⅰ、感染防止地域連携加算に伴い感染制御部に専任する技師の業務も増加しました。

生化学・免疫血清部門は自動分析装置による迅速報告に取り組みました。外来検体検査の迅速報告を行うとともに内分泌検査に特異性の高い検査法を導入しました。外来迅速検査加算対象項目については、検査所要時間調査を定期的に行い迅速報告の検証を行っています。

血液検査部門は、知識の習得と技術向上をはかり骨髄検査の質向上に努めました。血液学の専門資格は認定血液検査技師を24年度1名が新たに取得しました。

一般検査部門は尿中有形成分測定装置を24年3月更新しました。機器測定と技師の鏡検検査をあわせて高精度かつ効率的な尿沈渣検査を行っています。

輸血検査部門は、安全な輸血が行える輸血検査、輸血業務体制を継続しています。血液型検査、交差交差適合試験を24時間検査体制で取り組んでいます。

中央採血室の採血患者数は22、23、24年度は74666名、76418名、80680名の採血件数でした。外来早朝採血は24年を月～木に技師1名増員し、技師3名看護師1名の採血者による8時30分の採血待ち患者数減少をはかりました。24年4月に採血・採尿自動受付機を新規導入し、採血前に採尿が可能になりました。

2.生理部門(心電図検査、呼吸機能検査、超音波検査、聴力検査、神経生理学検査)

生理検査部門では、24年8月から超音波検査室など生理機能検査室の改修工事を行い、25年1月に腹部超音波検査室、3月に心臓超音波検査室がリニューアル運用開始しました。

患者様に安心できる検査を提供する検査室を目指し、室内のレイアウト、廊下幅拡張、待合スペースを広く明るく設計し、患者様から好評をいただいています。

検査件数では、超音波検査は24年度も引き続き件数増加が高くなりました。24年4月より心臓エコー7枠、甲状腺エコー3枠を増設しました。超音波検査の技師検査実績は22、23、24年度、心臓エコーは470、745、1369件に増加しました。腹部エコー923、829、893件、頸動脈エコー716、７８４、892件でした。下肢静脈エコー707件、990件、1122件、甲状腺エコー(内分泌、耳鼻科)は49、122、363件に増加しました。下肢静脈エコーや頸動脈エコーは病棟出張件数も増加しました。心臓エコーの検査技術者の育成強化を25年度の取り組みとしています。

循環器機能検査は、16102、16785、18051件に増加しました。聴力検査は、新生児の聴力検査である新生児聴力検査(AABR)も出張検査として実施件数が伸びています。

Ⅱ．未来の力を育てる

部員には、教育プログラムによる学会発表、論文発表を指導し全国、地区、鳥取県内の学会研修会に講演、発表、論文発表を行いました。検査部勉強会を毎月一回開催し宿日直検査、採血関連、臨床検査国際認定ISO15189などの研修を行い、質の高い臨床検査を保証する人材育成を実践しています。

Ⅲ．臨床検査情報の発信

チーム医療への参加では、糖尿病支援チームに2名が参加し、糖尿病教室で糖尿病に関する血液検査と動脈硬化の超音波検査を講義しました。栄養サポートチーム(NST)は24年度に1名増員し2名が血液検査値の分析を行いました。また関連学会にて院内のNST活動実績の発表を行いました。
　24年度の鳥大病院健康ミニ講座に2回血液検査について解説を行いました。また、「検査部だより」を毎月1回定期発行し臨床検査について患者様、院内職員に理解しやすく解説しています。「検査部だより」は検査部ホームページにも掲載しています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(検査部　原　文子)