高次集中治療部

 集中治療部開設が1991年、HCUと合併されて高次集中治療部となったのが1997年、第Ⅱ集中治療室が開設されたのが2008年。昨年、「第Ⅰ、第ⅡICUHCUの入室患者重症度も各医師に定着して混乱がなくなり」、「他病棟との移動もスムーズに」にと記載いたしましたが、近年の手術数増加・高齢化・重症化は予想を大きく上回る速度で、ベッドコントロールも余裕がなくなってきています。また本来、他病棟へ入床させるべき患者さんが、高次集中治療部に入室させられるような場面もあり、経営の安定化は必要ですが、医療安全の面からもイケイケドンドン見直しの必要を感じています。

                                                                                                                       (齋藤憲輝)

高次集中治療部ーICU

当院の第一集中治療室の患者さんは半分以上が手術後です。

術後の回復を促すために,私たちは,より早い人工呼吸器から離脱,より早い飲水,食事の開始,より早い立位,歩行の開始を目指しています.これには患者さんご自身,またご家族の協力が不可欠です.患者さんたちも手術の次の日くらい寝ていたいとお考えかもしれませんが,呼吸器合併症や深部静脈血栓症といった術後合併症を減らすためにも,昼間は起きて,夜ぐっすり眠るというメリハリのある生活をしていただくためにも,ぜひご理解,ご協力をお願いいたします。

もちろん,身体的に無理がないか常に近くで見守っております.また痛みがあっては動けませんので,痛いときは遠慮なくおっしゃって下さい.点滴や機械がたくさんついていては動けないとお思いでしょうが,いらない点滴や管はより早期に抜去いたします。ただし安全に,日々近くに医師,看護師がいて評価しております。

ご意見,ご感想ありましたら,遠慮なくおっしゃって下さい。

                                             (南 ゆかり)

第一ICU入室患者

入室患者

379

性別

男性

(%)

235

(62)

女性

(%)

144

(38)

予後

生存退室

(%)

353

(93)

死亡退室

(%)

26

(7)

 

 

第一ICU入室患者の年齢

1歳未満

(%)

13

(3)

1から9

(%)

24

(6)

10歳代

(%)

9

(2)

20歳代

(%)

9

(2)

30歳代

(%)

33

(9)

40歳代

(%)

12

(3)

50歳代

(%)

31

(8)

60歳代

(%)

77

(20)

70歳代

(%)

109

(29)

80歳代

(%)

58

(15)

90歳代

(%)

4

(1)

    計

379

(100)

平均 

59

中央値

68

 

 

第一ICUの入室期間

1

(%)

13

(3)

2

(%)

113

(30)

3

(%)

90

(24)

4

(%)

46

(12)

5

(%)

30

(8)

6

(%)

24

(6)

7

(%)

6

(2)

814

(%)

35

(9)

1521

(%)

15

(4)

2228

(%)

2

(1)

29日以上

(%)

5

(1)

    計

379

(100)

平均 

5

中央値

3

 

第一ICU診療科別入室患者数

心臓血管外科

(%)

160

(42)

消化器外科

(%)

48

(13)

乳腺内分泌外科

(%)

22

(6)

小児科

(%)

21

(6)

耳鼻咽喉科・頭頚部外科

(%)

20

(5)

胸部外科

(%)

14

(4)

循環器内科

(%)

14

(4)

泌尿器科

(%)

13

(3)

女性診療科

(%)

12

(3)

呼吸器内科・膠原病内科

(%)

9

(2)

整形外科

(%)

9

(2)

脳神経小児科

(%)

8

(2)

消化器内科

(%)

7

(2)

歯科口腔外科

(%)

6

(2)

血液内科

(%)

4

(1)

小児外科

(%)

4

(1)

脳神経外科

(%)

3

(1)

皮膚科

(%)

2

(1)

腎臓内科

(%)

1

(0)

形成外科

(%)

1

(0)

精神神経科

(%)

1

(0)

合計

379

(100)

高次集中治療部第二ーICU、HCU

入室患者数は, 平成23年度に比べ, ICUⅡでは5人減の1460, HCUでは16人増の856, 全体では11人増の2316人であった. 在室日数は, ICUⅡでは平均3.7, HCUでは平均4.2日といずれも昨年度と同等であった. 月別の入室者数については, HCU4月の入室者数が多かったが,  ICUⅡおよびHCU5月以降では, 月ごとの変動は少なかった。

ICU, HCUでは毎日のように術後患者を受け入れているが, それだけでなく救急患者や一般病棟での急変患者の受け入れ要請にも可能な限り応じている. 22床の病床数に対して, 入室者一人あたりの在室日数が平均4日前後という状況でのベッドコントロールは決して容易なものではないが, 各科病棟医長, 病棟看護師長と密に連携をとりながら, なんとかやりくりしているのが現状であるそのため, 術後日が浅い患者さんも含めて全身状態が比較的落ち着いていれば, 一般病棟への移動をお願いするケースもあるが, ご理解とご協力をお願いしたいところである。

今後も患者さんやご家族に満足いただける医療を提供するのはもちろんのこと, 上記のような急性期病棟としての使命を最大限に全うしていきたい。

                                                                                                             (細谷 朋央)