高圧酸素治療室

平成24年度高圧酸素治療室の現況

 平成24年度の治療件数は、335回となった。昨年度の治療件数が159回と一昨年度の360回から大幅に減少して心配し、いくつかの診療科に声かけをしたのが効果を表したのか、単純に例年通りに戻ったのかは明らかではない。ただ一酸化炭素中毒の患者が増え、また関節や筋肉など整形外科関係の感染症の治療頻度が増えている。整形外科関係でいうと、まだ脊髄炎や脊髄神経疾患などは、戻ってきていない。また突発性難聴なども減っている。昨年度1件もなかった放射線障害の治療も泌尿器科から膀胱炎の治療として依頼を受けた。診療科としては、例年のことであるが、整形外科、救急災害科、耳鼻科などによく利用していただいた。

高圧酸素治療室の主たる使用機種であった第2種治療装置は、オーバーホール費用が莫大で病院経営を圧迫し、病院長や事務と相談して、その社会的必要性から鳥取県、島根県に補助をお願いしたが、東北地方太平洋沖地震への支出のこともあって、認められなかった。仕方なく、平成25118日をもって、第二種高気圧酸素治療装置を廃止し、今後は第一種装置のみで対応していくこととしたが、減圧症治療や重症患者に対応することができなくなってしまった。日本高気圧環境・潜水医学会中国四国地方会が立ち上がり、これからもう1度盛り返そうとしていたところだけに残念であり、長年苦労して高気圧酸素治療を守って来られた先輩諸氏に申し訳なく思っています。


平成24年度統計

平成24年度診療科別治療件数
整形外科 133
救急災害科 118
泌尿器科 42
耳鼻科 31
皮膚科 9
心臓血管外科 2
合計 335


 

平成24年度疾患別治療件数

一酸化炭素中毒

59

化膿性関節炎

46

放射線性膀胱炎

42

ガス壊疽

41

骨髄炎

29

術後感染

26

化膿性滑液包炎

23

創癒合不全

19

壊死性筋膜炎

18

突発性難聴

10

顔面神経麻痺

9

難治性皮膚潰瘍

9

動脈ガス塞栓症

2

開放骨折

2

合計

335