泌尿器科 概要
診療内容
低侵襲手術への取り組み
悪性腫瘍に対しては癌の根治性と手術の低侵襲化を目指し、腎癌に対する腹腔鏡下腎摘除術あるいはロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術、腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管全摘術などの腹腔鏡手術や、前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を施行しています。 膀胱癌に対するロボット支援膀胱全摘除術は全国に先がけて実施し、良好な成績を得ています。また、良性疾患に対しても副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術、腎盂尿管移行部狭窄症に対するロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術、小児停留精巣に対する腹腔鏡下精巣固定術などを行っています。また、若手医師の技術習得を目指し、当科の腹腔鏡技術認定医による大型動物を用いた腹腔鏡教育プログラムを定期的に開催しています。
全国に先駆けたロボット手術の導入
手術支援ロボットのダビンチX、Xiの2台に加え、2022年4月から国産手術支援ロボットhinotori、2023年3月からはHugoを導入し、この4台を駆使し、ロボット手術を推進してきました。この4機種を保有するのは国内初になります。当科での症例数は1100例を越えています。前立腺癌については米国コーネル大学と性機能温存術式確立に関する共同研究を行ってきました。
新規抗癌剤や分子標的治療剤を使用した尿路性器癌に対する薬物療法
従来の抗癌剤に抵抗性を示す尿路上皮癌(腎盂尿管癌、膀胱癌)に対する化学療法、ホルモン抵抗性前立腺癌に対するドセタキセル、カバジタキセルを使用した化学療法、難治性精巣腫瘍に対する多剤併用化学療法、各種分子標的治療剤よる進行性腎細胞癌の治療に積極的に取り組んでいます。又、膀胱癌、腎癌に対する免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療も積極的に行っています。又、2020年からは、遺伝子診療科と協力し、がん遺伝子に関する治療も行なっています。
限局性前立腺癌に対する幅広い治療選択
上記のロボット手術などの低侵襲手術に加え、放射線治療においても前立腺密封小線源治療や強度変調放射線治療(IMRT)など、最先端のラインナップを取りそろえています。これらの幅広い治療選択肢を提示し、良好な腫瘍制御とQOL維持の両立を心がけています。もちろん、それぞれの患者さまの生活スタイルや希望に応じた治療を推奨するようにしています。
末期腎不全に対する腎移植
腎不全患者様に対する生体腎移植を施行しています。良好な生着率と安全な移植を心がけ、現在良好な成績を得ています。又、2020年からは、献腎移植の認定施設となっています。
あらゆる尿路結石症に対応可能な砕石治療機器
体外衝撃波結石破砕装置、ホルミウムレーザー装置、リトクラスト結石破砕装置、超音波結石破砕装置を有し、これらを使用して体外衝撃波(ESWL)、経尿道的尿管砕石術(TUL、f-TUL)、経皮的腎砕石術(PNL)を施行しており、様々な病状に対応可能です。
難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注射療法
以前より前立腺肥大症や神経因性膀胱などの排尿障害に対する治療に積極的に取り組んできており、本邦で初めて難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注射療法を施行し良好な成績を得ています。
女性特有の泌尿器疾患
女性特有の骨盤臓器脱、尿失禁、過活動膀胱などの疾患に対し、専門外来を行っていますのでぜひご相談ください。保存的治療で改善が得られない場合には外科治療も行っています。骨盤臓器脱に対する最新治療であるロボット仙骨膣固定術も導入しています。
専門分野
- 尿路生殖器悪性腫瘍(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、副腎腫瘍等)
- 排尿障害(神経因性膀胱、過活動膀胱、尿失禁、前立腺肥大症等)
- 男性不妊症、性機能障害、男性更年期障害
- 尿路感染症
- 尿路結石症
- 副腎、後腹膜疾患(アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、後腹膜腫瘍等)
- 小児泌尿器科
診療科の特色
特徴的技術
腹腔鏡手術
尿路結石治療
前立腺肥大症に対する低侵襲治療 HoLEP: ホルミウムレーザー前立腺核出術
特徴的な医療機器等
- 手術支援ロボットda Vinci、hinotori、Hugo
- 腹腔鏡手術装置
- 前立腺密封小線源装置
- 体外衝撃波結石破砕装置
- ホルミウムレーザー装置
- リトクラスト結石破砕装置
- 超音波結石破砕装置
- Koelis Trinity
診療実績
入院統計および手術統計については、こちらのページをご覧ください(腎泌尿器学分野個別ホームページ内へジャンプします)。