子どもの心の専門病床「だんだん村」
鳥取大学医学部附属病院 精神科では、2025年4月に、未成年のお子さんを対象とした入院病床「児童・思春期病床(通称だんだん村)」を開設しました。
地域の子どもの心の問題に対する入院治療の受け皿として、心の不調や生きづらさを抱えた子どもたちが安心して過ごしながら治療を受けられる場を目指しています。
病棟
完全個室6床の小規模な病棟は、デイルームや学習室、面談室などが備わっており、菜園や運動スペースのある中庭に面しています。
学校や家庭の場からいったん離れ、落ち着いた環境の中で治療と休養に専念することができます。

入院対象
患者さんは19歳以下で、不登校、強い不安や気分の落ち込み、引きこもり、対人関係や家庭内の悩み、自傷行為、ゲームやインターネットの使い方の問題など、さまざまな困りごとを抱えている方が対象です(精神科医が入院の必要性を判断します)。
治療・支援
児童・思春期の特性をふまえた治療・支援を行うため、専従の公認心理師および精神保健福祉士が常駐しており、多職種チームにより、認知行動療法(CBT)を中心とした心理療法や、SST・心理教育・ストレスマネジメントなどのグループプログラム、家族支援を行い、学校や関係機関とも連携しながら回復と社会復帰をサポートします。
入院中の活動
症状によっては入院が長期に及ぶこともあり、社会とのつながりが希薄化し経験の幅が狭くなるといった弊害が生じやすくなります。
そこで、今年度は当院の花火大会への参加、病棟内でのハロウィーンやクリスマスといった季節のイベントを企画・実施しました。また、野菜の栽培や臨床美術などの活動に継続して取り組んでもらうことで、集団の場で役割や責任を担う機会や、自分を表現する機会を持つことができるようにしています。
畑ではいろいろな野菜を栽培しましたが、特に苗から育てたさつまいもには、日々の水やりや草取り、芋ほり、焼き芋で味わうところまで、子どもたちが入れ替わりながら、“リレー”のように関わってきました。
自分たちで食べるだけでなく、お隣の湊山公園の猿たちにおすそ分けし、育てたものを地域に還元する小さな取り組みともなりました。

今後も、児童・思春期のこころの専門病床として、子どもたち一人ひとりに寄り添いながら、よりよい治療環境の整備と支援の充実に努めてまいります。