放射線治療室

1) 放射線治療とは?

 放射線治療とは、がんなど病巣部に対して治療を目的として放射線を照射する治療の総称です。多くの場合、放射線治療のターゲットはがん細胞です。がん細胞は正常細胞よりも放射線の影響を受けやすいと言われています。この特性を利用して、私たちは放射線治療を行っています。しかし、放射線は少なからず正常細胞にも影響を与えます。結果として一時的な脱毛や皮膚の炎症などの副作用を伴います。こういった治療期間中の肉体的、また精神的なケアも私たちの仕事です。

 当院では、2009年7月より従来の放射線治療室を移動し、『放射線治療棟』を立ち上げました。この放射線治療棟には最新の治療装置、治療計画装置を備え、鳥取の地で国内最高の放射線治療を提供しています。

2) 所有装置

1カテ装置
リニアック
CTシュミレータ2022
CTシミュレータ
3カテ_装置
X線シミュレータ
多目的装置2
RALS (Remote After Roader)

放射線治療装置 (リニアック)

 体の外から放射線を照射して治療(外部照射)を行う場合に使用している放射線治療装置です。リニアックと呼ばれています。大きな装置ですがその駆動は非常に精密で、治療計画通りに放射線を照射するために、放射線束、放射線量、照射角度などを精確に再現します。そのため、形状が複雑ながんであっても的確に放射線を照射することができます。放射線治療棟にはリニアックが2台稼働しています。

CTシミュレータ

 放射線治療棟のCTは少し特殊な設計をしており、放射線治療専用のCT装置となっています。これもより良い治療を提供するためには欠かせない装置となっています。

X線シミュレータ

 X線透視画像を用いて放射線を照射する方向・範囲を決定する高精度放射線治療に対応した位置決め装置です。X線シミュレータは治療体位の決定や呼吸性移動に伴う病変に対して、その動きの経時的な変化を評価、確認するために使用されています。

RALS (Remote After Loading System)

 この装置は食道・気管・子宮・直腸などの管腔臓器に対して内部から放射線を照射する装置です。装置内に放射線を出す金属(放射線源)が封入されており、この放射線源を一時的に病巣部に刺入することで放射線を照射します。こうすることで、正常な部位への被ばくを抑えて治療が行えます。

3) 治療方法

● 定位放射線治療 (SRS/SRT)

 早期の肺がんや脳腫瘍において主に用いられます。がんの形状に合わせて多方向から集中的に放射線を照射する方法です。

強度変調放射線治療 (IMRT)

 放射線の照射方法をコンピュータで解析して治療を行います。病巣にだけ放射線を照射し、正常な細胞に出来る限り照射しないようにすることができます。その結果、治療成績が向上し、副作用が低減できると言われています。しかし、治療開始までに時間が必要で、患者さん本人の生活管理などの協力が必要になることがあります。

● 回転IMRT (VMAT)

 IMRTの中でも、さらに精度を高めた治療法になります。放射線を照射しながら、機械を複雑に制御することで、さらに病巣にのみ集中して放射線を照射することができるようになります。回転IMRTも同様に治療開始までに時間が必要で、患者さん本人の生活管理などの協力が必要になることがあります。

※治療する方法は、専門の医師が選択します。患者さんの状態や病気の場所、進行具合などに合わせて、最適な方法を適用させていただきます。

(例) 標準的な放射線治療の流れ

他院または鳥取大学の各診療科から紹介されることで放射線治療科を受診していただくことになります。

  ↓

放射線治療医の診察を受け、放射線治療を適用するか、またどのように治療を進めていくかを決定します。

  ↓

X線シミュレーターとCTシミュレーターでX線写真を撮影します。この画像から、どのように放射線を照射するべきか、つまり治療計画を決めていきます。

  ↓

治療計画が決まったら、放射線治療の開始です。

  ↓

治療が始まったら、平日は毎日治療棟に来ていただきます。

  ↓

すべての日程が終了したら、治療終了です。

  ↓

治療が終わった後も、定期的に放射線治療科を受診していただき、治療後の経過観察を行います。

5) スタッフ数

● 放射線科医師 ・・・・ 3名   ● 診療放射線技師 ・・・・ 7名

● 専任看護師 ・・・・ 2名   ● 事務職員 ・・・・ 1名