CT撮影室
1) CT(コンピュータ断層撮影)とは?
CTとは『Computed Tomography』の略で、コンピュータ断層撮影といい、X線を連続的に照射し、身体の輪切り像 (横断面)の撮影を行います。CT検査では身体の内部構造が詳しく分かります。また、コンピュータ処理により横断面だけではなく、任意の方向の断面を作成することができます。得られた画像データから3D画像を作成し、様々な角度から観察することも可能です。また、近年では2種類のX線を使うことで多種の性質の異なる画像を得ることが出来るようになってきました。
検査時間は、撮影部位 (範囲)や検査内容により異なりますが5~30分です。その間は、体を動かさないこと、指示アナウンスに従い呼吸を止めることなどが必要となります。また、より病変を明瞭に描出するために造影剤というお薬を静脈注射して検査する場合もあります。造影剤を使う場合は、主治医より詳しい説明があります。
2) 所有装置
当院では3台のCTが稼働しています。
CT(21室)
64列CTです。患者さんの被ばくを低減する、様々な最新の撮影技術を提供しています。
CT(22室)
平成30年より稼働した256列CTです。広範囲をごく短時間で撮影することが可能です。
CT(23室)
80列CTであり、CT(21室)と基本的なものは同様な性能ですが、0.25㎜スライス厚検出器を搭載しているので従来より超高精細な画像の取得が可能です。この装置は24時間体制で運用し、平日・夜間や休日も稼働しています。
3) 検査紹介
CT検査では共通してCT装置の寝台に仰向け(またはうつ伏せ)に寝て検査を受けます。そして、大きな円筒状の穴の中に入ることで検査を開始します。検査内容によっては患者さんに把握していただきたい事項もありますので、その時は担当技師の指示に従ってください。
● 頭部CT――検査時間:5~20分
頭部CT検査では、仰向けで寝台に寝ていただきます。撮影中、頭部が動かないように固定します。通常、20枚程度撮影しますので、検査中は寝台が小刻みに動くことで撮影を行っていきます。CTが開発されたことにより、頭部疾患の発見は飛躍的に向上しました。現在では、撮影時間短縮、画像作りの進歩等により頭蓋内を詳細に調べることが可能です。また、3次元画像処理装置を用いて3D画像を作成することにより、3次元的な位置把握を可能にし、診断の一助となっています。
● 胸部CT――検査時間:5~30分
胸部のCT検査では寝台に仰向けで寝ていただきます。また、上肢はできるだけ挙上位(ばんざい)の姿勢で検査を進めていきます。胸部は検査時に5秒程度の息止めをしっかりと行うことで状態を細かく調べることができます。肺では、気管、血管、そして空気を観察します。造影剤を使うことで、より鮮明に血管の状態や病気の性質を診断できます。現在では、動き続ける心臓を鮮明に撮影できるようになっています。これによって、直径が数mm程度の細い冠動脈 (心臓の栄養血管)もきれいに描出することができます。
● 腹部CT ――検査時間:5~20分
腹部のCT検査では寝台に仰向けで寝ていただきます。また、上肢はできるだけ挙上位(ばんざい)の姿勢で検査を進めていきます。腹部CT検査は検査時に5~10秒程度の息止めで腹部臓器の状態を調べることができます。造影剤を使った検査では、血管や臓器の状態をより詳細に調べることができます。
● 四肢CT――検査時間:5~15分
四肢のCT検査では、その検査内容に合った体位をとっていただきますので、担当技師の指示に従ってください。四肢の検査では骨、関節、筋肉の状態を調べることができます。また、3D画像による観察も可能ですので、手術計画や交通外傷の診断に有効な検査となります。
4) スタッフ数
● 放射線科医師 ・・・・2名 ● 診療放射線技師 ・・・・5名
● 専任看護師 ・・・・ 2名