一般病棟業務室・重症病棟業務室
~指導風景~ |
薬剤師が入院中の患者様のベッドサイドへ出向き、薬の効能効果、副作用、相互作用などについて説明させていただいています。 |
本院の現状
対象診療科:全ての病棟に薬剤師が一日(または半日)常駐しています。
担当薬剤師 →専任30名、兼任5名(2024年4月現在)
2015年7月からの病棟薬剤業務実施加算算定にを開始し、持参薬確認や医師への処方提案などを行っています。ICUやNICUなどの重症病棟では、薬剤師が注射薬(中心静脈投与)を無菌的に調製しています。
薬剤師が参加している医療チーム
チーム医療の一員として、薬剤師はさまざまな場面で活躍しています。
・栄養サポートチーム:NST(Nutrition Support Team)
・褥瘡対策チーム
・IrAE対策チーム
・緩和ケアチーム
・術後疼痛管理チーム
・院内感染対策チーム:ICT(Infection Control Team)
・抗菌薬適正使用支援チーム:AST(Antimicrobial Stewardship Team)
・HIV診療チーム
・心臓リハビリテーションチーム
・糖尿病療養支援チーム
・脳卒中対応チーム
・リエゾンチーム
・転倒転落チーム
・スポーツ医科学センター
病棟業務室での業務
(1) プレアボイド報告の収集
- 薬剤師の関与によって、患者様への不利益を避けることができた時に、その症例について報告する制度です。
- 収集された症例は、鳥取県病院薬剤師会編集のプレアボイド症例集に掲載され、薬剤師がどういう点で患者様の役に立つことができるのかを知ることができます。
- プレアボイド報告は、他の薬剤師が行った薬学的管理のポイント(何を問題と考え行動したか)を学ぶことができるため、臨床薬剤師に必要な問題の抽出や解決能力の育成に最適な教材であると考えています。報告された一つ一つの報告を大切にし、薬学的ケアに必要な知識・スキルを組織的に向上させるために薬剤部内で情報を共有しています。
(2) 副作用報告の収集
- 患者様に起こってしまった副作用について、その症例の経過について報告する制度です。
- 今後、副作用が起こらないようにするためにまたは起こったとしても最小限にするためにはどうしたらよいかを考えるために収集しています。
(3) 各診療科に出向いて医療安全に関する講習会を開催
- 薬剤部から発信する情報が多くの医師に理解していただけるよう、病棟担当薬剤師が講師を務める講習会を各診療科で開催しています。
- 以下の講習会を開催しました。
2014年5月 1回量処方の留意点について
2014年11月「与薬指示簿」、アレルギーチェックの制限事項、術前中止の表示機能について
2016年8月 術前中止薬リストとその運用
2017年2月 アレルギーを引き起こす薬剤の確認機能の強化とアレルギー歴登録・解除の運用
2017年5月 自動車運転禁止薬服用患者への説明体制
2018年11月 麻薬施用に関する法律の再確認と麻薬施用の管理体制の見直しについて
2021年2月 持参薬使用基準と持参薬仮オーダについて
2022年6月 アレルギーチェック運用変更、検査値仮オーダ、院内疑義紹介プロトコールについて
2023年4月 フォーミュラリー推奨薬の処方支援機能導入について
~診療科カンファレンスにおける薬剤師による出前研修~
(4) 病棟における持参薬鑑別業務<全病棟において施行中>
入院時に、持参薬の有無、薬剤名、規格、剤形等を確認し、服薬計画を医師等に提案するために、ベッドサイドで聞き取った情報等を迅速に反映させることができます。
(5) 診療科と合意したプロトコールに基づく処方提案<7病棟において施行中>
「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(平成22年4月30日医政発0430第1号)で掲げられている「⑤薬物治療の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。」について、病棟担当薬剤師による薬歴管理に基づいた主体的な薬物療法の管理を行っています。