心理療法室 概要

 心理療法室では、認知行動療法や応用行動分析などの考え方を中心に、健康的な日常生活を送るための適応的な行動や認知の獲得を支援する活動を行なっています。精神科での心理業務は多岐に渡りますが、中でも児童思春期臨床や他科との多職種連携に力を入れています。
 近年、未成年のメンタルヘルスの悪化が社会問題となっています。例えば、オーバードーズ、自殺企図、不登校などにまつわる相談は全国の医療機関で年々増加傾向にあります。このような動向を背景に、2025年度、鳥取県の児童思春期のメンタルヘルスを担う中核的な医療の場として、県内初となる児童思春期病床が当院に開設されました。心理師は患者様の入院生活に寄り添いながら、心理アセスメント、心理教育、心理療法などを実施します。退院後の生活がより良いものとなることを目指し、医師や病棟スタッフ、学校や児童相談所などの関係機関と協働して患者様とそのご家族をサポートします。
 また、精神科内での活動に留まらず、多職種連携として院内の様々な治療チームに関わり、身体疾患に伴う心理的な問題を改善する取り組みを展開しています。なかでも肥満症外科治療チームでは、手術対象となった方を中心に、認知行動療法を用いた減量のサポートを行っています。これらの成果は第71回山陰精神神経学会において発表しています。
 これからも地域のメンタルヘルスのセーフティネットである当院精神科の心理療法室は、患者様のこころの健康に貢献できるように尽力いたします。