医療福祉支援センター年報

医療福祉支援センター 活動内容

医療福祉支援センターでは、患者さんやご家族に安心して良質な医療をお受けいただけるよう、万全の体制で各種の医療サービスを提供することを使命とし、“迅速" “信頼" “思いやり" をモットーに日々業務に励んでおります。業務内容は多岐にわたりますが、主として患者さんの外来診療予約受付、退院支援・転院調整、各種医療福祉制度や公費負担医療の申請案内などの業務を行い、他の医療機関や介護・福祉施設との連携を図っています。また、鳥取県西部圏域における医療連携の拠点として、最近では地域連携ネットワークや地域連携パスを積極的に活用しています。当センターの役割は年々重要性を増していますが、地域医療の先導的な役割を果たすべく、以下の業務に対応しています。

  1. FAXによる外来診療予約対応
  2. セカンドオピニオン外来の予約受付
  3. 各種医療福祉制度、公費負担医療制度の案内
  4. 退院支援
  5. マルトリートメントへの対応
  6. 地域連携パスの運用
  7. 近隣医療機関との連携推進
  8. ICTを活用した医療連携
  9. その他の連携に関する活動

下のグラフは、各診療科・病棟からの医療福祉支援センターへの紹介件数を経年的変化とともに示します。

医療連携や医療福祉制度の相談などで医療福祉支援センターに紹介された令和元年度の件数は合計2,012件で、毎年およそ2,000件の紹介に対応しています。

また、入退院センターと常に連携しながら、患者さんの円滑な入退院を行うためにベッドコントロール、入院オリエンテーション、検査説明、入院連絡説明、手術前説明を行っています。

以下に業務内容毎の実績を示します。

1.FAXによる外来診療予約対応

病院、開業の先生方から診療科への診察依頼やCT、MRI、RI、PETなどの検査依頼をFAX予約で受付けています。FAX予約された患者さんは診察や検査が予約時間内にスムーズに実施ができるように調整しています。FAX予約件数の推移をみると、年々増加し、令和元年度は10,786件で病院全体の書面による紹介患者数の87.6%を占め、FAX予約の重要度が増しています。また、FAXによる逆紹介も急増しており、令和元年度は974件でした。

2.セカンドオピニオン外来の予約受付

かかりつけ医や二次医療圏以外の施設からも当院で行っている専門診療を受けていただくために、FAXまたは郵送でセカンドオピニオン外来の予約を受付しています。令和元年度は31件でした。一方、セカンドオピニオンで逆紹介するケースも12件ありました。

3.各種医療福祉制度、公費負担医療制度の案内

医療福祉支援センターでは患者さんが利用できる各種の医療福祉制度、公費負担医療制度のご案内を行っております。

医療福祉制度では身体障害者福祉、障害年金、傷病手当金等、また、公費負担医療制度では結核医療、更生医療、育成医療、養育医療、特定医療費(指定難病)、小児慢性特定疾病医療費、肝炎治療、肝がん・重度肝硬変治療の各医療費助成の申請手続案内や所轄行政機関との連絡調整、生活保護等の紹介・申請に関する案内業務を行っています。

【令和元年度公費負担医療費助成申請案内の件数】 合計561件

4.退院支援

入院における急性期治療が順調に経過した患者さんに対し、主治医からの要請により転院調整や在宅支援を行っています。転院調整は一般病院、回復期リハビリテーション病院、療養型病院などへの転院を希望される患者さんに対して病院の紹介や確保を行います。在宅支援は介護や医療処置を必要とする患者さん、癌末期の患者さん、認知症、運動機能障害や重度身体障害を有する患者さんなど、退院後に在宅での医療支援を望まれる患者さんに対して、地域の訪問看護ステーションや医療機関と協力して支援を行っています。これらはすべて平成25年度に新設された入退院センターと連携しています。

患者さんへの手厚い積極的な退院支援として病棟の各セクションに専任の退院支援看護師を配置し、退院に向けて迅速かつ的確な支援強化の態勢を整え、また、退院困難要因をより幅広くスクリーニングすることを評価する入退院支援加算件数(加算1+加算3)については、令和元年度4,933件となっています。

また、患者さんが安心して入院医療を受けられるよう、入院前から必要な支援を行った場合の評価として平成30年度に新設された入院時支援加算件数については、令和元年度は前年度を大きく上回る1,164件の実績を上げました。

その他、ケアマネージャーと連携する介護支援連携指導数が310件、在宅療養担当医療機関のスタッフと連携する退院時共同指導数が115件と関連する多職種との間で多くの連携がなされています。

5.マルトリートメントへの対応

児童虐待、家庭内暴力(DV)などのマルトリートメントに対して医療支援を行っています。マルトリートメントを疑う事例については院内外での連絡体制を整え、緊急対応もできるようにしています。令和元年度は児童相談所からの診察依頼や診療科からの相談事例:計8件に対応し、マルトリートメントチーム・児童相談所・要保護児童対策協議会主催のカンファレンスを55回実施しました。また、障がい者・高齢者の虐待についても対応マニュアルを整備し、令和元年度7件の相談に対応しました。

6.地域連携パスの運用

大腿骨近位部骨折/脊椎椎体骨折・骨盤骨折と脳卒中に関して、鳥取県西部圏域における急性期病院、回復期リハビリテーション病院及び維持期(生活期)の医療機関の間で地域連携パスを運用しており、計画策定病院となっている当院と山陰労災病院の主催で定期(四半期毎)のパス運用連絡会を開催し、運用状況や問題点等を共有しています。

また、胃がん、大腸がん、肝がん、肺がん、乳がんの5大がんについても同様に地域連携パスを作成・運用しており、機能の異なる医療機関間の共有診療計画の推進を図っています。令和元年度は大腿骨近位部骨折/脊椎椎体骨折・骨盤骨折の地域連携パスが8件、脳卒中地域連携パスが257件、がん地域連携パスで7件(大腸がん3件、肺がん3件、乳がん1件)の運用実績がありました。

また、地域連携パス推進のために鳥取県西部医師会主催で開催される下記の地域連携パス推進委員会に医療福祉支援センターの事務職員がオブザーバーとして参加し、パス推進に向けての情報収集や事務的助言を行っています。

(令和元年度に参加した地域連携パス推進委員会)

  • 脳卒中地域連携パス推進委員会
  • がん地域連携パス推進委員会
  • 糖尿病パス推進委員会
  • 急性冠症候群パス推進委員会

7.近隣医療機関との連携推進

1) 鳥取県西部圏域及び安来圏域における地域連携実務者会

鳥取県西部圏域及び島根県の安来圏域における各医療機関の地域連携担当者が直接顔を合わせ、各機関との情報共有や意見交換を通じてより一層の連携を図る目的で、当院が発起人となって「鳥取県部圏域及び安来圏域における地域医療連携実務者会」を立ち上げ、第1回目の協議を平成31年3月18日に開催しました。初回の会議では、本会の目的や規約の制定、今後の運営等についての議論や参加20医療機関からの自機関概要説明が行われた後、懇親会で互いに交流を深めました。

令和元年度は当院を含む7医療機関が世話人となって本実務者会を2回開催、地域連携に関する現状と課題、また、地域医療連携リソースガイドや転院時のチェックリストの運用等について活発な議論が交わされました。

【参加医療機関】

鳥取大学医学部附属病院、皆生温泉病院、錦海リハビリテーション病院、西伯病院、佐々木医院、山陰労災病院、真誠会セントラルクリニック、高島病院、大山リハビリテーション病院、鳥取県済生会境港総合病院、博愛病院、日野病院、養和病院、米子医療センター、米子東病院、米子病院、日立記念病院、安来市医師会診療所、安来市立病院、安来第一病院

2) 鳥取県西部医師会との連絡協議会

毎年、鳥取県西部医師会と米子市内の各急性期病院(鳥取大学医学部附属病院、山陰労災病院、米子医療センター、博愛病院)との連絡協議会が計4回行われており、幅広い意見交換と親睦の場になっています。

当院が主催する連絡協議会では医師をはじめ多くのコ・メディカル、事務職員が参加し、当院の最新情報や特色ある話題を提供しており、また、他の3病院が主催する際にも医療福祉支援センターの医師や看護師、事務職員が積極的に参加して連携の推進に努めています。

8.ICTを活用した医療連携

ICTを活用した鳥取県における基幹的な医療連携ネットワークシステムとして、「おしどりネット」があります。

おしどりネットは、鳥取県全域及び島根県の一部の医療機関の間で診療にかかる情報を共有し、質の高い安全な医療を提供しています。患者さんがおしどりネットに参加することにより、患者さんが希望された複数の医療機関で治療内容や検査データ、薬の処方などの診療情報が共有でき、効率的かつ的確な医療をお受けになることができます。

当院はこれまで、おしどりネットを運営する鳥取県医療連携ネットワーク協議会の代表機関を務めており、医療福祉支援センターはおしどりネットの運営事務局として、毎月開催される協議会の準備や参加医療機関との連絡調整、システム上のデータ処理や院内外に向けての普及活動等を行ってまいりました。

令和2年3月31日現在の登録患者数は計6,702名で年々増加していますが、特に令和元年度は1,912名の登録があり、非常に多くの患者さんにおしどりネットへ参加していただきました。

令和2年4月1日より、おしどりネットの運営は新たに設立されたNPO法人へ移管されましたが、今後も当院は参加医療機関の中心的役割を担い、本ネットワークシステムのさらなる発展に寄与してまいります。

9.その他の連携に関する活動

1) 近隣回復期病院との定期連絡会

近隣の回復期病院の受け入れ体制等に関する情報を入手し、円滑な退院支援・転院調整に資する目的で近隣5病院との定期的な連絡会を開催しており、これにより顔の見える関係を構築して緊密な病-病連携の一助としています。

【令和元年度に開催した連絡会】

  • 真誠会セントラルクリニック 9回
  • 皆生温泉病院 4回
  • 養和病院 4回
  • 錦海リハビリテーション病院 4回
  • 米子東病院 4回

≪会議の内容≫

  • 当院を転院した後の患者情報の共有
  • 各病院の近況報告(病床稼働、受入状況等)
  • 転院調整に際しての課題抽出
  • その他連携全般に亘る意見交換

2) 西部在宅ケア研究会(在宅医療に関する連携)

鳥取県西部圏域で在宅ケアに関わる医師、歯科医師、看護師、保健師、介護支援専門職員、リハビリ職、行政機関などの多職種が一堂に会する機会として発足した西部在宅ケア研究会は、これら多職種がスムーズな連携を深める場、情報交換をする場、研鑚を積む場として、定期的な会合を開催しています。

当院からも診療科の医師や入退院センターの看護師、そして医療福祉支援センターの医療ソーシャルワーカーや事務職員等が積極的に参加し、在宅ケアに関する様々な情報収集や院外多職種との良好な関係を築いています。

【令和元年度に開催された在宅ケア研究会】

  • 世話人会(西部医師会館) 年間6回
  • 例会(ぴあベール米子) 2回 (7/10、11/1)

3) 医療連携に関する幅広い情報収集

【医療連携・退院支援関連部門の全国会議・中国ブロック会議への参加】

毎年、医療連携・入退院支援部門に関わる国立大学病院の全国会議が開催され、これまで16回の開催を数えています。

また、中国地区の国立大学病院を対象とした同部門に関わるブロック会議も毎年開催され、当院からも看護師、MSW、事務職員が参加し、他病院の先進的な取り組みや効率的手法を参考に自院の業務改善に活かしています。

令和元年度の全国会議は九州大学で開催され、『教育と経営から地域連携を考える』をテーマに、また、中国ブロック会議では、『部門の教育体制・スキルアップ』、『働き方改革』をテーマに活発な意見交換が行われ、自院における課題発掘や新たな業務上の目標設定に繋げました。

【特色ある他病院への訪問】

初診患者さんの診療予約申し込みのWeb化を先行導入している以下の二病院を訪問し、 Webの利用頻度や運用方法、また、システム構築までの課題や他機関への周知方法等、今後当院でも予定しているWeb化への全面移行に向けて貴重な情報を得ることができた。

≪倉敷中央病院≫
★訪問日:令和2年2月6日(木)

≪東京慈恵医科大学病院≫
★訪問日:令和2年2月28日(金)