7月10日(水)、当院泌尿器科と放射線治療科が、『ハイドロゲル』を用いた前立腺がん放射線治療を、山陰で始めて開始したことを発表しました。
前立腺がんの放射線治療では、照射の際に前立腺のすぐそばにある直腸にも放射線が当たり、のちに、稀ではありますが直腸から出血がみられることがありました。
「ハイドロゲル」併用の治療では、前立腺と直腸との間にゲルを注入することでスペースが設けられ、直腸への放射線量を大幅に軽減でき、直腸出血の発生リスクを下げることにつながります。また、直腸に当たる放射線を軽減できれば、前立腺への1回あたりの照射量を増やすことができ、治療期間が短縮されるなど、患者さんの生活の質(QOL)向上が期待できます。
「ハイドロゲル併用の放射線治療は、安全を確保した上で、患者さんの負担軽減につながる。前立腺がんで放射線治療を希望される患者さんに順次提供していきたい。」と放射線治療科の内田教授が展望を語りました。