10月13日(水)、当院循環器内科と脳卒中医の先生方と連携して実施した、脳梗塞再発予防のための心臓カテーテル治療「卵円孔開存閉鎖術」の記者説明会を行いました。
脳梗塞を起こす要因には動脈硬化や心房細動などがあげられますが、約20~25%は原因不明の脳梗塞と分類されています。その中の約半数が、心臓の右心房と左心房を隔てる“心房中隔”にある卵円孔という穴が完全に閉じていない状態にあると言われています。
この卵円孔が開いたままの状態である“卵円孔開存”は、成人の約25%に見られますが、ほとんどは開存があっても何の問題もありません。しかしごく一部で、足などにできた血栓がその穴を通って脳に行き、脳梗塞を起こすことがあります。
そこで2019年12月より、脳梗塞を起こされた方の中で、原因が卵円孔開存に起因すると考えられる場合に、再発予防としてカテーテルで卵円孔を閉鎖する治療が保険適用となりました。当院でも準備を進め、このほど9月に1例目を無事に実施いたしました。この手術は、専用の閉鎖栓をそけい部の大腿静脈からカテーテルを用いて心臓内に挿入し、卵円孔のところに留置して閉鎖します。
従来は主に薬物治療が行われていましたが、新たにカテーテル治療が加わり、脳梗塞再発予防のための治療選択肢が増えることとなりました。
循環器内科の渡部助教は「脳神経内科と連携し、卵円孔開存が見られる患者さんで手術が必要な場合は、このカテーテル治療を提供していきたい」と今後の展望を述べました。
挨拶をする山本副病院長 質問に答える脳神経内科 瀧川先生
循環器内科 渡部先生によるデモンストレーション