透析室

概要

鳥取大学医学部附属病院透析室では、各科へ入院中の維持透析患者に対する血液透析、末期腎不全に対する血液透析導入および急性腎不全に対する血液透析を行っている他、当院へ通院中の腹膜透析患者のハイブリッド透析にも対応しています。血液濾過透析用患者監視装置を8台、血液透析用患者監視装置を2台、計10台常備し、腎臓内科医6名、看護師4名、臨床工学技士3名が従事しています。また、鳥取県の腎不全医療をさらに推進するための取り組みとして、保存期から腎不全期までの包括的な診療および透析療法と腎移植の腎代替療法の適切な選択と実施に向けた人材育成と情報提供を行っています。

理念

透析室では、安全で質の高い透析療法の実施を目的とし、定期的な多職種カンファレンスに加えて医療スタッフ間の円滑なコミュニケーションを心がけています。また、他院からの入院患者が多くを占めることから、地域の透析関連医療機関との円滑な連携体制を基盤として、個々の病態に応じた適切な透析療法を提供しています。

特徴

主に月水金の週3回各2クール血液透析を実施しています。加えて、透析導入時には連日透析を行う他、術前日の血液透析や緊急透析などを行っています。透析室には陰圧室が備わっており、感染症患者の血液透析も実施可能です。透析室での血液透析の他にも、重症患者に対応するためICU-2、CCU、救命救急センターでの透析や、血漿交換や顆粒球除去療法、薬剤性腎障害に対する血液濾過透析などの特殊な血液浄化療法にも対応しています。上記の他にも、透析導入期の患者に対して、食事内容や生活上の注意点などについての指導や、入院中の腹膜透析患者の処置なども行っています。

また、適切な腎代替療法の選択につなげるため、主治医および看護師が協力して腎代替療法説明を実施し、共同意思決定を促進する取り組みを行っています。血液透析導入患者においては、導入期に退院後の生活についての療養指導を実施し、維持透析施設への円滑な移行へ繋げています。腹膜透析患者においては専門外来を設け、専門医と専任看護師による療養指導を実施しています。

実績

令和3年度 治療実績

  • 血液透析導入 43例
  • 入院患者の維持透析 241例
  • 血液透析実施件数 2402件
  • 顆粒球吸着療法 9件
  • 血漿交換 8件
  • 腹水濾過濃縮再静注法 86件

(文責:高田知朗)