3-3-13. がんセンター

がんセンターの使命は、県がん診療連携拠点病院として高いがん医療体制を確保し、地域がん診療連携拠点病院をはじめとする地域医療機関との連携を図るとともに最新の情報や研修の場を提供し、さらにはがん薬物療法専門医をはじめとするがんの専門職を育成することにある。
漸く、平成21年10月、鳥取大学医学部附属病院がんセンターの工事が完了した。がんセンターには、外来化学療法室、緩和ケア、スキンケア外来、リンパ浮腫外来、がん相談支援室、セカンドオピニオン、院内がん登録室などが配置された。

1.外来化学療法室

平成20年度の外来化学療法の実施件数は平均261件/月であり、年間症例数は300例を越えた。あたらしい外来化学療法室のベッドは20床となり、より快適なスペースを確保した。また、外来受付や診察室をセンター内に置くことにより効率的な運用が期待される。安全で効果的な化学療法の実践のために、化学療法室運営委員会を月1回の定期開催とし、新規登録レジメンの審査を行っている。

2.緩和ケア外来

がん診療連携拠点病院における緩和ケアの充実が求められている。あらたに、がん緩和認定看護師と臨床心理士を配置した。緩和ケアマニュアルを作成出版した。

3.がん相談支援室、セカンドオピニオン室

がん患者ならびに家族への様々な相談支援を行うために、がん相談支援室とセカンドオピニオン室をあらたに設置した。医療福祉センターとのさらなる連携強化が求められる。

4.スキンケア外来、リンパ浮腫外来

がん治療にともなう、ストーマケアやリンパ浮腫の対策は重要である。専門看護師による外来を開設した。今後の発展が期待される。

5.がん登録

がん診療連携拠点病院においては、院内がん登録の推進は必須である。研修会等への参加が必要となってきたため、専任事務官の採用し、事務員3名で1カ月あたり90-100件の登録作業を実施している。平成20年8月より、症例抽出・データ入力・登録を事務が行い、各診療科は確認作業のみを行っている。

(紀川 純三)