3-3-07. 病理部

病理部は原則として病院内の臨床科より提出される病理検体の受け付け、標本作成、診断を行っている。平成20年の件数は(1)組織診断(術中迅速組織診断538件を含めて):6215件、(2)細胞診断2728件、(3)病理解剖:27件である。また医学部(医学科、生命科学科、検査技術学専攻)学生の教育、臨床実習を年間を通じて実施している。業務の一部は医学部基礎部門(器官病理、分子病理)、脳幹性疾患研究施設の脳病理部門に分担していただいている。病理解剖の臨床病理検討会(CPC)は全症例を対象に月に1~2回(水曜日午後5時~6時30分)のペースで実施しており、平成20年は15回であった。

平成20年の病理部の主な出来事は以下である。

(1)4月より、鳥取県中部のがん拠点病院である県立厚生病院とバーチャルスライド方式による遠隔病理画像診断システム(テレパソロジー)の運用を開始した。これは鳥取県の専用高速インターネット回線を利用して、県立厚生病院の病理顕微鏡画像を当院にて受信して、術中迅速組織診断および組織診断を迅速に行うものである。これにより鳥取県の地域医療の充実に協力している。平成20年度の実績は、術中迅速組織診断41件、組織診断203件であった。この検査収入により、病理部でのコンピュータ機器などの購入を行ったが、さらに平成21年度には近年件数の増加が著しい免疫染色への対応として、自動免疫染色装置の導入を予定している。

(2)人事では4月より林一彦部長の再任が決定された。大野技師の産休により、11月に山根技師が臨時採用された。

(3)平成20年3月にホルムアルデヒドに対する法律(労働安全衛生法)が改正されました。その対策の検討を開始した。


病理解剖件数

区 分 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度
死亡患者数 356 383 366 394 463
病理解剖数 42 50 36 38 27
剖検率 11.8 13.1
9.8 9.6
5.8
(堀江 靖)