病理部
1.病理診療科群の概要
病理診療科群(病理診断科,神経病理診断科)は2013年4月から新たに診療科としてスタートしました。従来通りの附属病院の組織診断・細胞診断に加え、地域連携の一環として学外の関連病院からの術中迅速診断や病理解剖も積極的に受け入れています。また、各臨床科とのカンファレンスにも積極的に参加し、臨床との連携・相互理解を深めるべく努めています。
2.業務実績(2017.4.1~2018.3.31)
実績
・病理組織診断 8,137件
・術中迅速病理診断 552件(うち学外 31件)
・細胞診断 4,350件
・病理解剖とその臨床病理学的検討 29件(うち学外 7件)
病理組織診断
現在は病理部専任の医師3名を中心に診断業務を行っていますが、肺腫瘍や乳腺腫瘍など特定の専門領域に関しては病理学講座の医師が診断を行っています。病理部ではダブルチェック体制により診断精度の向上を図り、診断が問題となる症例は週4日開催される病理部カンファレンスにて検討を行っています。
術中迅速診断
以前は電話による報告を行っていましたが、2016年からインターホンで報告するシステムに移行しました。病理医と執刀医とのやりとりを複数のスタッフが聞く事ができるため、相互の会話の誤認を防ぎやすくなりました。なお、覚醒下の手術における診断報告は希望により、従来通り電話での報告とすることが可能です。診断に際して可能な限り検鏡は2人以上の医師で行い、確実な診断を心がけております。なお市内の関連病院からの術中迅速診断(標本作製から診断・報告まで)も受け入れています。
細胞診断
常勤の細胞検査士を中心に診断業務を行っています。昨年度より新たに2名の検査士を雇用し、充実を図っています。2018年度より液状検体細胞診(Liquid-based cytology; LBC)システムが導入され、婦人科頚部細胞診の受付を開始しました。
病理解剖
一昨年の実績は29件で、昨年度は26件です。ここ10年弱は年間30件ほどで推移しています。関連病院からの受け入れも行っていますが、年々緩やかに減少傾向です。病理専門医の取得には病理解剖の執刀が必須ですが、全国的な病理解剖件数の減少傾向を受け必修執刀数も70例→50例→40例と減少し、現在は4年間で30症例とされています。
以前は解剖の実施から臨床病理検討会(Clinicopathological conference; CPC)までの期間は不定でしたが、2016年度後半の実施症例から、通常解剖は解剖後6か月、脳変性疾患などは解剖後9か月を目安に検討会を行っています。
(文責 野坂加苗)