高圧酸素治療室

平成29年度の治療実績は延べ193件のなり、平成28年度の297件に対し、100件以上減少しました。第一種高気圧酸素治療装置のみでの運用となるため、救急的適応と減圧症、重症患者の治療ができないこと、診療報酬が200点と低くいことが影響していると思われます。また、毎年、減圧症に関して問い合わせがありますが、現在の安全基準では1人用の第一種装置での減圧症に対する再圧治療が認められておらず、他府県の病院に流れている状況です。

適応疾患の内訳は、耳鼻科の突発性難聴、顔面神経麻痺、整形外科の感染症と創傷治癒となり昨年度同様の内容でした。

全国的には、放射線治療後の軟部組織障害に対する治療が増えてきており、概ね30~40回の治療が目安となっています。また創傷治癒での治療も増加してきています。

従来の高気圧酸素治療の診療報酬点数は200点であったが、平成30年度の診療報酬改定で、救急・非救急、装置の区分がなくなり、適応疾患に対して、毎回3000点へと増加します。また、治療回数の上限も疾患により10回、30回と規定されました。

今後もEBMを参考にしながら、適切に治療を行いながら、さらなるEBMの充実に寄与していきたいと考えております。

(南ゆかり、松上紘生)