高圧酸素治療室

 平成28年度の治療実績は延べ297件のなり、平成27年度の368件に対し、70件程度減少した。しかし前年度が、2倍近く増加していたので、これが実勢と思われる。診療報酬上は、救急的適応は無く、すべて非救急的適応であった。第一種高気圧酸素治療装置のみの運用であるため、救急的適応と減圧症治療ができないため減少したと思われる。毎年、減圧症に関して問い合わせがあるが、現在の安全基準では1人用の第一種装置での減圧症に対する再圧治療が認められていない。

 内訳は耳鼻科の突発性難聴、顔面神経麻痺、整形外科の感染症と創傷治癒、泌尿器科の放射線治療後膀胱潰瘍となり昨年度同様の内容であった。

 放射線治療後の軟部組織障害に対する治療が全国的に増えており、概ね30~40回の治療が目安となるため、治療件数が増加したものと思われる。また、創傷治癒目的の高気圧酸素治療も近年増加傾向にあり治療件数の増加に影響していると思われる。これら2つの病態に対する高気圧酸素治療は、世界的にも増えており、今後のEBM充実に寄与していきたいところである。

 顔面神経麻痺は、効果のある患者さんは5回目ごろから、目をつぶることができたり、表情が変わったりし始めることがあった。

平成28年度高気圧酸素治療実績

疾患名

診療科

総計

耳鼻

整形

泌尿器

右脛骨インプラント感染

 

10

 

10

左顔面神経麻痺

15

 

 

15

左殿部蜂窩織炎・皮下腫瘍

 

3

 

3

突発性難聴

60

 

 

60

左肘慢性化膿性関節炎

 

90

 

90

人工関節感染

 

69

 

69

全身多発腫瘍

 

9

 

9

放射線性膀胱炎

 

 

39

39

両膝化膿性関節炎

 

2

 

2

総計

75

183

39

297