血液内科

 血液がんの治療の進歩には著しいものがあります。慢性骨髄性白血病、骨髄、異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、悪性リンパ腫(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、多発性骨髄腫等の治療薬に新薬がつぎつぎと開発されています。がん細胞の遺伝子情報をブロックしてがん細胞を死滅させる分子標的治療薬(抗体、小分子)が血液がんの治療成績をどんどん改善しています。血液患者さんの生命予後は大きく改善しています。多くの患者さんが治癒して治療を終了したり、治療を継続しながら良い状態を維持できるようになりました。

 それに伴って血液がん患者さんの治療は外来治療が中心になっています。嘔気、白血球減少等の副作用対策が進歩して外来治療が可能になってきました。患者さんにとっても自宅での生活を維持しながら血液がん治療を受けられることのメリットは大きいといえます。若い方は勿論、高齢の方にとっても精神的安定や運動機能維持のためにメリットは大きいのです。

 しかし、急性白血病の方、重症の方、抗がん剤治療導入の方、重症合併症の方々には入院治療が必要です。その際には血液内科病棟(クリーンルーム14床に入院して頂きます。)

 血液がんは患者さんにとってなじみは薄く、わかりにくい領域と思います。治療にあたっては、病状等についてよくご説明して、ご本人とご家族のご理解の上で実施することに努めています。また、がん専門看護師が患者さんとご家族のご理解を深めるお手伝いをすることができます。

 

診療実績

 

  26年度  27年度 28年度
1 外来延べ患者数  5,624名 6.146名 6,275名
2 紹介患者数  97名 94名 97名
3 逆紹介患者数   107名 121名 132名
4 入院延べ患者数  4,603名 5,946名 5,552名
5 新入院患者数  191名 239名 223名
6 平均在院日数  23.37日 23.43日  23.27日

 

希少癌の治療

 希少癌の治療は、これまで、血液内科として治療を担当しておりましたが、29年4月より腫瘍内科(陶山腫瘍内科長)が新設されましたので腫瘍内科の担当となりました。該当の患者さんのご紹介は腫瘍内科にお願いいたします。

 血液内科と腫瘍内科はこれまで通りに共同で診療体制を組んでおります。外来と入院病棟はこれまで通りです。

 

地域連携

 鳥取県の血液診療は大きく県東部と県西部として分担されています。県西部は鳥取大学と国立病院機構米子医療センター(但馬 史人部長)が連携しています。

 

(日野 理彦)