輸血部
輸血部の任務は安全・迅速な輸血療法を支えることです。コンピュータークロスマッチシステムが正確で、迅速な対応に貢献しています。
輸血実績は救急・重症・外科治療・がん化学療法などの患者さんの増加により年々増加しています。26年度から27年度にかけて増加率は輸血総件数で9.2%、製剤別では、赤血球液-LR:4.5%、濃厚血小板液-LR:8.5%、FFP:20.9%でした。各製剤の増加率には大きな差が見られました。当院の医療を反映していると考えられます。内視鏡手術の拡大、強力ながん化学療法の拡大、造血因子製剤の使用などの変化の結果と考えられます。
【輸血実績】 | |||
26年度 | 27年度 | 増加率 | |
赤血球液-LR | 6,619件 | 6,920件 | 4.5% |
濃厚血小板-LR | 11,660件 | 12,655件 | 8.5% |
FFP | 3,248件 | 3,928件 | 20.9% |
■自己血輸血
待機手術においては、自分の血液を術前に採取・保存しておいて手術に際してこれを使用する自己血輸血がしばしば行われます。患者さん本人の血液ですから安全度の高い輸血になります。整形外科と女性診療科が多く採用しています。
【自己血輸血実績】 | ||
200ml | 400ml | |
整形外科 | 7件 | 68件 |
女性診療科 | 49件 |
■洗浄血小板
28年9月から日本赤十字血液センターより、照射洗浄血小板-LRと照射洗浄血小板HLA-LRの供給が始まります。輸血によってアナフィラキシーショック等の副作用を1ないし2回観察された場合等が適応となります。かねてからの懸案事項で、臨床サイドから要望がありました。安全な輸血システムが一つ進展しました。
■廃棄血
献血によって供給される血液を大切に使わせていただいています。重症患者さんは急に容体が変化して用意した血液が直前に使えなくなることがあります。血液型によっては廃棄せざるを得ないことがあります。廃棄血を少なくする努力をしています。
(日野 理彦)