脳とこころの医療センター
平成27年度の脳とこころの医療センターの活動状況の概略をご報告致します。
1.脳とこころの医療センター総合診療
神経・精神関係の疾患の診療に従事する脳神経外科、脳神経内科、脳神経小児科、精神科の4診療科は、頭痛、てんかん、発達障害、認知症、高次脳機能障害などの複数科にまたがる、あるいは複数科で診療すべき疾患で、初診をどの診療科が担当すべきかが明らかでない患者様の病態に対して総合診療のシステムを導入しています。脳とこころの医療センターの総合診療のシステムの周知が十分でないため、初診患者数はまだ年間数名程度とごく少数にとどまっています。今後は、本システムの周知を徹底して参りたいと思います。
2.脳とこころの医療センターのカンファランス
前述のごとく、複数科にまたがる神経・精神疾患はしばしば診断・検査・治療など、診療上の困難を伴うことが多く、専門的知識と広い視野が求められます。隔月に4診療科で実施している当センターの症例検討会は、平成27年度も12回開催され、各診療科の知識・経験に基づく多様な意見を交わすことができる貴重な場となっています。平成27年度の検討会でも、議論の結果、診断が確定し、適切な治療を行うことで患者様が寛解に至る症例を経験することができました。
平成28年度も、さらに4診療科のネットワークを密にし、神経・精神疾患において大学病院に求められる高度医療を担うべく、努力を続けて参りたいと思います。
(文責:兼子 幸一)