高圧酸素治療室

 平成26年度の治療件数は、189回とやはり少なかった。昨年度の168回からは微増であったが、一昨年度の335回からはほぼ半減し回復しない。これは、高圧酸素治療のメイン機種であった第二種高気圧酸素治療装置を、オーバーホール費用が莫大で病院経営を圧迫するという理由で、平成25年1月18日をもって廃止し、第一種装置のみで対応していくという方針となったためである。主たる治療診療科は、耳鼻咽喉科、泌尿器科、整形外科で昨年度と変わりなく、耳鼻科の突発性難聴・顔面神経麻痺、整形外科関係の感染症、泌尿器科の放射線性膀胱炎などがやはりよく利用していただいている。
 第一種高気圧酸素治療装置のみとなってしまったために、減圧症治療や重症患者に対応することができなくなってしまったが、救急災害科の一酸化炭素中毒は、救急・非救急適応ともに治療回数が増加した。日本高気圧環境・潜水医学会中国四国地方会が立ち上がり、もう1度治療症例の見直しなどを行っているが、今年度大腿筋肉内腫瘍の治療が入り、海外での主たる治療目的が腫瘍であることを考えると、もう少しこの分野でのEBMの充実を望みたいところである。 
                                                                                                                                  (齋藤憲輝)


 平成26年度高圧酸素統計
高圧酸素 統計図1


高圧酸素 統計図2