感染制御部 概要

感染制御部

連絡先

0859-38-6982

【活動内容】

多職種からなる連携のとれたチーム医療体制を心がけています。

  • 医療関連感染対策
    標準予防策の推進(手指衛生改善活動、個人防護具適正使用の推進など)、感染対策チームによる病棟・外来・部門ラウンドの実践、職業感染防止策や職員向けワクチン接種プログラム(B型肝炎、麻疹、水痘、風疹、流行性耳下腺炎、インフルエンザ)の充実、ファシリティマネジメント、医療関連感染サーベイランスの実施、アウトブレイク対応、新興・再興感染症対策の検討、病原微生物の伝播経路の詳細な解明など、データに基づく感染制御を目指しています。

 

  • 診療科横断的感染症診療支援の実践
    感染制御部が行う感染症診療は、病院内のさまざまな感染症の診断・治療・感染制御をトータルにサポートするというスタイルで行っています(診療科横断的感染症診療とよんでいます)。そのために感染症内科(感染制御部兼任者あり)と連携した診療支援を行っています。とくに、薬剤耐性菌感染症の問題は克服すべき重要な課題であり、この問題にどう立ち向かっていくかをテーマに日常診療および研究に取り組んでいます。
    現在、日常診療では、診療科・部門からのコンサルテーションに対応するとともに、週2回感染制御部カンファレンスを開催し、MRSAなどの薬剤耐性菌が新規に検出された症例、血液培養検査で病原微生物が検出された症例、広域スペクトラムの抗菌薬療法が遷延している を使用している症例などについて、医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師のチーム医療体制のもとで検証しています。対象となる症例は血液培養陽性症例約500例/年、薬剤耐性菌検出症例約350例/年、特定抗菌薬使用症例約2600例/年に及び、適切な診断・治療・感染制御を推進しています。

 

  • 病原微生物を検出する技術
    適切な抗菌薬療法を実践するためには、原因となっている病原微生物を明らかにすることができるかどうかが鍵となります。そこで、高次感染症センターと連携し、日常の臨床検査では検出することが困難な病原微生物を同定するための研究を、遺伝子検査の手法を駆使して行っています。

 

  • 適切な抗菌薬使用推進に向けた活動
    抗菌薬の不必要※1 または不適切※2 な使用は治療失敗や副作用発現のみならず、薬剤耐性菌を発生あるいは蔓延させる原因となります。そのため、感染症の専門資格を有する多職種(医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師)で構成された抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)は抗菌薬が適正に使用できるように管理・診療支援を行っています。また、鳥取県院内感染対策サーベイランス事業(薬剤耐性、抗菌薬使用量)および相談対応を通じて、県内の各医療機関の感染対策および抗菌薬の適正使用を推進することを支援しています。
    ※1:抗菌薬が必要でない病態に使用すること
    ※2:抗菌薬が投与されるべき病態であるが、その状況における抗菌薬の選択、使用量、使用期間が標準的な治療から逸脱していること

  • 当院ASTのおもな業務内容は以下の通りです。
    • 広域スペクトラム抗菌薬使用状況モニタリングと介入(prospective audit and feedback)
    • 血液培養陽性症例およびカルバペネム系薬長期使用症例へのAST所属の感染症内科医併診による診療支援
    • 抗菌薬の薬物血中濃度モニタリング(TDM)の推進
    • 血液培養複数セット採取率と汚染率のモニタリング、アンチバイオグラム作成
    • 抗菌薬使用状況と薬剤耐性菌検出状況のモニタリング、フィードバック
    • 抗菌薬使用指針・マニュアルの作成および改訂
    • 抗菌薬適正使用推進に関する教育・啓発
    • 感染対策および抗菌薬適正使用に係る県内医療機関との連携
    • 抗菌薬適正使用のための相談対応

    【地域連携】

    • 鳥取県感染制御地域支援ネットワークへ専門家チーム員として参加(他施設への改善支援、相談対応)
    • 鳥取県院内感染対策講習会 (毎年秋頃)
    • 鳥取県院内感染対策サーベイランス事業
    • 感染対策向上加算1、および指導強化加算を算定(連携施設と合同カンファレンス、施設の相互ラウンド評価、施設訪問による相談支援)
    • 抗菌薬適正使用について、他施設からの相談対応

    【職員向け研修】

    本院では年4回程度、感染制御に関する職員向け研修会を実施しています。

    【スタッフと専門領域】

    医師 千酌 浩樹(部長)
    認定資格 感染症専門医・指導医
    ICD
    呼吸器専門医・指導医
    総合内科専門医
    所属学会 日本感染症学会、 日本化学療法学会、 日本結核・非結核性抗酸菌症学会、 日本臨床微生物学会、 日本呼吸器学会、 日本内科学会、 日本環境感染学会、 日本渡航学会ほか
    医師 中本 成紀(副部長)
    認定資格 ICD
    結核・抗酸菌症認定医
    所属学会 日本感染症学会、 日本化学療法学会、 日本結核・非結核性抗酸菌症学会、 日本呼吸器学会、 日本内科学会、 日本環境感染学会、 日本渡航学会
    医師 北浦 剛
    認定資格 感染症専門医

    ICD

    抗菌化学療法指導医
    総合内科専門医
    呼吸器専門医
    所属学会 日本感染症学会、 日本化学療法学会、 日本内科学会、 日本呼吸器学会、 日本結核・非結核性抗酸菌症学会、 日本環境感染学会、 日本渡航学会
    医師 岡田 健作
    認定資格 感染症専門医
    ICD
    抗菌化学療法認定医
    総合内科専門医
    所属学会 日本感染症学会、 日本化学療法学会、 日本結核・非結核性抗酸菌症学会、 日本呼吸器学会、 日本内科学会、 日本環境感染学会、 日本渡航学会
    薬剤師 三好 由希子
    認定資格 感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)
    所属学会 日本環境感染学会 日本医療薬学会 日本病院薬剤師会
    臨床検査技師 森下 奨太
    認定資格 二級臨床検査士(微生物学)(臨床検査同学院)
    認定臨床微生物検査技師(日本臨床微生物学会)
    感染制御認定臨床微生物検査技師(日本臨床微生物学会)
    登録抗酸菌症エキスパート(日本結核・非結核性抗酸菌症学会)
    所属学会 日本臨床微生物学会、 日本感染症学会、 日本化学療法学会、 日本環境感染学会、 日本医療検査科学会、 日本結核・非結核性抗酸菌症学会
    看護師 上灘 紳子
    認定資格 感染管理認定看護師(日本看護協会)
    所属学会 日本環境感染学会、 日本感染管理ネットワーク学会、 日本医療教授システム学会
    看護師 中村 広大
    認定資格 感染管理認定看護師(日本看護協会)
    所属学会 日本環境感染学会
    看護師 目次
    認定資格 感染管理特定認定看護師(日本看護協会)
    所属学会 日本環境感染学会、日本感染管理ネットワーク学会
    看護師 露無 明美
    認定資格 感染制御実践看護師(東京医療保健大学)
    所属学会 日本環境感染学会