腎センター

概要

鳥取大学医学部附属病院では、2022年4月に腎センターを開設しました。血液透析を担当していた透析室は部門化され、腹膜透析や腎移植も含めて幅広く腎不全診療を行います。また、腎不全治療だけではなく、腎臓病の早期発見と進行予防や合併症の対策にも重点をおいて、腎臓病に関わる診療科が連携して包括的な医療を推進します。さらに、鳥取県における腎臓病診療の向上を目指して、関連機関との連携を推進していきます。

理念

腎臓病診療にあたっては、腎不全予防に向けた早期発見、早期治療はさることながら個々の患者さんの生活にも配慮した治療提案ができるよう、患者さんに関わる医療スタッフが一丸となって診療することを心がけます。高い専門性を求められる腎疾患の診療においても、最新のエビデンスに基づく最良の医療を実践できるよう研鑽に務めます。また、鳥取県における腎臓病診療の拠点として、かかりつけ医や関連機関との連携を促進し、地域全体での腎臓病診療の向上を目指します。

診療内容

腎センターは外来部門、血液浄化部門、腎移植部門の3部門で構成され、共同で腎臓病医療を提供します。それぞれの部門が互いに連携して、腎臓病の診断から進行抑制および腎不全治療まで一貫した診療を行います。

包括的な腎疾患診療に向けて

腎疾患は、内科疾患、泌尿器科疾患、その他全身疾患に伴う二次性の腎疾患など多岐にわたります。いずれも腎機能低下や検尿異常、あるいは画像検査などをきっかけに見つかることが多く、どの診療科に紹介すればよいか迷う場合も少なくありません。腎センターでは、腎臓内科と泌尿器科の密な協力体制を軸として、領域をまたぐ腎疾患に対しても幅広いアプローチで診断、治療を提供します。

一次性腎疾患の診断と治療

糸球体腎炎や尿細管間質性腎炎などの腎疾患では、腎生検を実施して診断と治療方針の決定につなげています。診断にあわせて専門的な見地から最良の治療提供ができるよう心がけています。また、進行性の腎疾患である多発性嚢胞腎においては、早期診断と適切なタイミングでの治療開始を心がけています。

慢性腎臓病(CKD)の進行抑制

慢性腎臓病(CKD)の原因疾患として、糖尿病や高血圧などの基礎疾患に伴う合併症として腎不全に至る場合が多くを占めます。一方で、糸球体腎炎や多発性嚢胞腎などの一次性腎疾患に伴う腎機能障害も少なくありません。腎センターでは、腎臓内科と泌尿器科がともに診療にあたり、的確な診断と早期治療につなげます。腎臓病の進行を抑制するため、最新のエビデンスに基づく診療を提供できるよう心がけています。腎臓病の進行を防ぐためには生活習慣や栄養習慣なども極めて重要です。医師による診察だけではなく看護師や栄養士とも協力しながら、個々の患者さんに適したきめ細やかな療養指導を図ります。また、かかりつけ医の先生とも連携をとりながら、地域全体でチームとして腎臓病診療の向上を目指します。

加えて、腎癌などで腎摘出術を受けられる患者さんにおいては、術後の腎機能低下にも注意が必要となります。腎センターで泌尿器科と腎臓内科が連携し、術後の経過観察や腎機能低下の進行を防ぐための治療についても提案していきます。

腎不全に対する治療

腎不全に対する治療法として、血液透析と腹膜透析および後述する腎移植の3つの腎代替療法があります。いずれの治療もそれぞれ利点と欠点があり、個々の症例に応じて、患者さんとご家族および医療スタッフが十分に話し合った上で治療法を決定することが望まれます。腎センターでは、腎代替療法の専門知識と経験をもった医師や看護師が治療法の相談にあたり、納得した腎代替療法が受けられるよう心がけます。

血液透析

腎センターでは、血液透析の新規導入および合併症などで当院へ入院中の維持透析を行います。主に月水金曜日の週3回2クール血液透析を実施する他、透析導入時には体の負担軽減のため連日短時間の透析を実施したり、手術前や緊急時の血液透析などを行っています。また、腹膜透析からの移行期にはハイブリッド透析にも対応しています。

腹膜透析

腹膜透析を希望された患者さんには、腹膜透析に必要なカテーテル留置術や腹膜透析導入および退院後の定期受診などを腎センターで担当します。腹膜透析では特に、自宅での治療が主体となることから、生活スタイルに応じた治療法が提供できるよう心がけています。

腎移植

当院では、腎不全に対する生体腎移植を実施しているのに加え、2020年からは献腎移植の認定施設となっています。良好な生着率と安全な移植を心がけ、良好な成績を得ています。また、ドナーにおいては腎提供後の経過観察が必要となりますが、泌尿器科と腎臓内科が共同で診療にあたります。

特殊な血液浄化療法

膠原病や皮膚疾患、消化器疾患、神経疾患などの中には、自己免疫異常を原因とする疾患があります。

この他にも血液疾患や腎疾患などで薬物治療のみでは効果が不十分な場合には、血液中に存在する原因物質や病態の悪化を引き起こしている物質の除去を目的として、血漿交換療法や血漿吸着療法が有効となることがあります。

腎センターではMEセンターの臨床工学士と協力してこれらの特殊な血液浄化療法を実施します。

また難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法についても実施します。

外来診察日

初診 井山拓治 引田克弥
(移植・血尿)
前ゆかり
(CKD)
  高田知朗 井山拓治
(CKD)
再診 井山拓治 引田克弥
(移植・血尿)
高田知朗
(腹膜透析)
前ゆかり
山本真理絵 高田知朗 福田佐登子
井山拓治

お問い合わせ

診療に関すること 0859-38-6522
診療を除く 0859-38-6527
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