不育症でお悩みの方へ~不育症には治療法があります~

不育症とは

いわゆる「不育症」は単一の診断名ではなく、複数の病態を含んでいます。

22 週以前の流産を繰り返す反復流産(2回以上の流産)、習慣流産(3回連続した流産) に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」としています。

不育症の原因

流産の約半数は偶発的流産で、特別な治療を行わなくても次回妊娠予後は良好です。しかし、残りの半数に、血液が固まりやすくなるなどの血液凝固異常や夫婦の染色体異常や、子宮形態異常などの共通のリスク因子が認められることがあります。ただし、早期新生児死亡を繰り返す場合は、一般的な不育症のリスク因子以外の要因で生じていることもあります。

頻度

流産は妊娠の10 ~ 20% の頻度で起こる妊娠最大の合併症です。この頻度は女性の加齢とともに増加し、40 歳代の流産は50% という報告もあります。加齢とともに胎児染色体異常が増加するからだと考えられています。一般的に、習慣流産は約1%、反復流産は約5% とされています。

診断

血液検査 血液を固まらせたり(凝固)、溶かしたりする(線溶)因子に関連する血液検査が主になります。
その他、甲状腺ホルモンの異常や染色体検査なども血液検査になります。子宮の形態異常は、超音波検査や子宮卵管造影などで診断します。

治療法
カウンセリング

不育症の原因に対して治療を行うので、患者さんごとに治療法は異なります。
主な治療法は、抗凝固療法(低用量アスピリン療法、未分画ヘパリン療法)とカウンセリングになります。

治療後の注意

妊娠を継続させて、赤ちゃんを無事分娩して家に一緒に帰っていただくのが不育症治療の目標です。
周産期管理を厳重に行っておくことが必要です。

お問い合わせ連絡先
女性診療科 外来受付 0859-38-6642
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