Division of Orthopedic Surgery, Department of Sensory and Motor Organs,
School of Medicine, Faculty of Medicine,Tottori University

研究の特色

整形外科は運動器を扱い、その中心器官は脊椎を含めた骨関節です。診療と研究の対象は、幼小児から高齢者までの四肢関節の障害と脊椎疾患です。近年、人口の高齢化が進み、変形性関節症、脊椎症、骨粗鬆症の増加が顕著で、現在、これらの疾患を対象にした診療と臨床・基礎研究に重点を置いています。

整形外科は運動器を扱い、その中心器官は脊椎を含めた骨関節です。診療と研究の対象は、幼小児から高齢者までの四肢関節の障害と脊椎疾患です。

近年、人口の高齢化が進み、変形性関節症、脊椎症、骨粗鬆症の増加が顕著で、現在、これらの疾患を対象にした診療と臨床・基礎研究に重点を置いています。

各分野での主要な研究テーマとその取り組みについて

脊椎脊髄病

脊椎グループでは、臨床研究として頚椎外傷の疫学調査や非骨傷性頚髄損傷における不安定性の評価法開発、脊椎感染症の疫学調査、びまん性特発性骨増殖症に合併した脊椎骨折手術の安全性の取り組み、転移性脊椎腫瘍の手術成績調査を主に行っております。

基礎研究としては、脊髄損傷の治療、慢性腰痛症例の脳活動評価を継続しています。また、鳥取県の農家の腰痛対策など地域に根差した活動も積極的に行っております。

骨代謝

全身・腰椎・大腿骨が測定できる骨密度測定装置や、peripheral-QCTを使用し、骨粗鬆症の薬物療法の治療効果判定に関する臨床的研究を行っています。

基礎的な研究として、動物モデルを用いた続発性骨粗鬆症の病態の研究と薬剤効果の評価を行っています。

関節外科

関節リウマチや変形性関節症が主な対象となります。

関節鏡による鏡視下手術、骨切り術、関節形成術、人工関節置換術などの手術療法をその方の希望や疾病の程度に応じて適切に行うとともに、よりよい手術方法の研究を続けています。

人工関節におけるナビゲーションの利用に関する研究も行っています。

変形性関節症

変形性関節症(OA)の病態解明を目指した基礎研究と臨床研究を進めている。

具体的には、関節軟骨の軟骨内骨化に注目し、OAとの関連性を証明するための動物実験を進めると同時に臨床で得られたヒトOA膝と非OA膝の解析を行い、核心に迫っている。また新たなOA治療薬の探求を目指した研究、AI画像解析を用いた新たな試みも行っている。

股関節疾患における主要なテーマは、骨脆弱性と変形性関節症の関わり、臼蓋被覆と関節症進展の関わりが中心です。

膝関節疾患については、半月変性・軟骨変性と変形性関節症の関わりを中心に研究しています。

骨軟部腫瘍

骨および軟部組織(脂肪・筋肉・脈管系・末梢神経など)より生じた腫瘍ならびに腫瘍性病変を中心に診療を行っています。

手術前後の補助療法は重要で、放射線療法や抗癌剤治療(化学療法)を組み合わせ、皆様の治療に有効な補助療法を探求しています。

また手術では画像検査・病理検査の結果に基づいて綿密な計画を立てて、可能な限り身体機能が保持される罹患肢機能温存術式の開発を行っています。

関節リウマチ

関節リウマチの骨・関節破壊機序の解明と関節炎の薬物による制御を主な柱として、基礎的実験に取り組み、その臨床応用を目指しています。

マイクロサージャリー・手の外科

手足の先天奇形・神経や腱の損傷・化膿性疾患・骨折などでは、顕微鏡を使ったマイクロサージャリーが必要となることがあります。マイクロサージャリーを用いて、切断された指・肢の再接着、損傷・切断・挫滅されたりして障害を生じたり欠損の生じた部位に、血管付きの皮膚・骨・関節などの(自分の体から自分の体へ)移植を行います。

現在は、これまでは困難であった疾病における再建法の研究・実践を行っています。

最近のメインテーマは、手根管症候群などに対する超音波エコーの応用です。

スポーツ障害

スポーツ障害に対する治療の中心は保存療法です。

リハビリテーション部のスポーツ障害に精通した理学療法士とともにスポーツへの復帰に対する理学療法を行っています。

手術的治療の中心は、前十字靭帯断裂、半月損傷、反復性肩関節脱臼、野球肘などであり、鏡視下手術を積極的に行っています。鏡視下手術の学外研修にも積極的に医師を派遣しています。

リハビリテーション

リハビリテーション部には教室から医師4名を派遣し、整形外科の術後後療法、スポーツ障害に対するケアを中心に診療しています。また、神経内科的疾患・心疾患・呼吸器疾患などに対しても積極的に診療を行っています。