リハビリテーションだより 4号

2004年4月20日
発行人 萩野 浩
編集責任者 生田光治
鳥取大学附属病院
リハビリテーション部


QOL向上と在院日数短縮への貢献

リハビリテーションが行われる場所は極めて多彩で、病院・診療所から、肢体不自由施設、身体障害者更生施設、介護老人保健施設、そして自宅までと広がりがあります。サービスとしてのリハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語療法士、看護師、医療ソーシャルワーカー、義肢装具士等が中心ですが、「全人間的復権」と定義されるリハビリテーションはホームヘルパー、地域社会、そして家族までが時に応じて主役となります。患者様の障害診断を行った時点でゴールを設定し、それに向かって治療を行う過程では、これらの多くの方々の協力が必要です。そしてそのマネージメントを行うことがリハビリテーションの重要な役割になります。

リハビリテーション部となって今年で3年目です。本年度は「QOL向上と在院日数短縮への貢献」を目標に診療して参りたいと考えております。本谷さつき前看護師長の退職にともない4月から 小村裕美子 看護師長を迎え、各病棟との連携もさらに深め目標に向かいます。


内部障害患者の増加について

リハビリテーションは切断、脊髄損傷、脳卒中などの運動・認知機能障害のみが対象疾患ではなく、心臓や呼吸などの内部障害も重要な治療対象です。わが国の身体機能障害者福祉法では、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の6つを内部障害(内部機能障害)と規定しています。


リハビリテーション部だより04-01
内部障害の身体機能障害患者数が近年急増しています。これは高血圧、糖尿病、高脂血症といった動脈硬化性疾患の増加によると考えられます。身体障害者の等級が低いために申請していない患者がまだ多いことや、結核後遺症や喫煙者の割合が高いことから呼吸機能障害者数の増加が予想されていて、内部障害患者は今後さらに増加するものと思われます。内部障害患者は長期間の臥床を強いられ、廃用症候群を併発することが多いのが現状です。そこでこれらの障害では、発病後早期や手術直後からの早期リハビリテーションの重要性が強調されています。個々の障害に応じて設定したゴールを目指したオーダーメードのリハビリテーション医療のために、院内全てのスタッフのご協力をお願いします。

リハビリテーション部だより04-02

看護師長 小 村 裕 美子

この度、4月1日よりリハビリテーション部の専任看護師長として配属になりました。
6階B病棟在職中は大変お世話になりましたが、勤務部門が換わってより一層各部門の皆様方にはお世話になることと思います。私の役割としては、リハビリテーション部と看護師あるいは医師との掛け橋となり、より強いチーム医療の絆を深めることに力を注ぐことだと思っていますし、この絆こそが患者様やご家族に対する良質の医療サービスだと考えます。
リハビリテーション部の中では、毎日フレッシュパワーのあるPT・OTの技師がリハビリにあたっています。私は、患者様・ご家族が望まれる機能回復のお手伝いを医療チームの一員として頑張り、また地域への連携にもお役に立てるように努力いたします。そして皆様方に信頼をされる、頼りにされるリハビリテーション部の力となりますので今後ともよろしくお願い申し上げます。

平成15年度リハビリテーション部治療件数

当部における平成15年度(14年4月~15年3月)の治療件数を調べてみました。
21科からの紹介があり総数は31429件、1日平均128件(入院92% 外来8%)となっています。依頼科の詳細は次の通りです。

整形外科 9433件(30.0%)脳神経内科 6554件(20.6%)
脳神経外科 4945件(15.7%)第二外科 1990件(6.3%)
第一外科 1799件(5.7%)第三内科 1257件(4.0%)
第一内科 1203件(3.8%)皮膚科 1035件(3.3%)
その他各科 3213件(10.5%)

【編集後記】

この「リハビリテーション部だより」4号は3月末に発行する予定でしたが、年度末の多忙と全国的な桜の開花の早まりで今日に至ってしまいました。

日本人として花見にも出かけなければいけない義務感に駆られ、「日本桜名所100選」にも指定されている島根県木次町の斐伊川堤防桜並木を尋ねました。堤防沿いに続く2kmの桜トンネルを歩くとそこはマイナスイオンの空間でした。また、対岸からの眺望も見事な日本画でした。

毎日の業務に追われ続ける皆様も時には心癒される場所へ出かけてみては如何でしょう。(M.I)

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