志を持った医療人が集まり、
日本有数の高度医療を提供。 山陰地域の安心を支えるという 使命感があります。-
鳥大病院は一言でいうと
どんな病院ですか?職員一人ひとりの
志を大切にする病院です。このサイトをご覧になっているということは、医療人として鳥大病院で働くことを検討してくださっているのだと思います。
そこでまず、あなたが医療人を目指そうと考えた理由を思い出してみてください。そして、あなたにとっての医療人の理想の姿を思い浮かべてみてください。新卒の方には難しいかもしれませんが、想像でかまいません。
鳥大病院の職員たちは、医療人として実際の現場に立つ今でも、あなたが思い浮かべたように、それぞれが描く理想像を胸に、日々の業務に奮闘しています。
その職員たちの志を守り、その志をさらに育てていくために病院全体で取り組んでいるのが、支援制度をはじめとする就業環境の整備です。鳥大病院が発刊している冊子「ひと案内」のなかで、武中篤 病院長はこう述べています。「鳥大病院ではチーム医療に先駆的に取り組んできましたが、これは病院の方針として始まったわけではありません。患者さんのために何ができるか、現場の一人ひとりが問い続けた結果、職域の枠組みを超えたチーム医療が自然と生まれたのです。」
一人ひとりの職員が、各々のビジョンや使命感のもと成長し続けることで、新たな技術を持つ人やチームが育ち、病院全体の医療の質を高めることにつながる。するとさらに、成長したいと志向する人が集まり、もっとよい医療を提供できるようになるという好循環が生まれる。私たちは、そう考えています。
このサイトでは、そんな好循環を生み出すための、鳥大病院の仕組みや制度をたくさん紹介しています。また鳥大病院で働くことについて、より想像がつきやすくなるような質問にも回答していますので、どうぞゆっくりと、興味のある項目からご覧ください。
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どんな診療科がありますか?
また、病院全体はどんな構成に
なっていますか?当院には40の診療科、
15の診療施設部があります。当院全体の病床数は697床です。
大きく4つの棟があり、A病棟、B病棟、外来・中央診療棟、第二中央診療棟があります。その中で40の診療科、15の診療施設部があります。
また、現在の職員数は2,020人。このうち医師は444人、看護師は919人、メディカルスタッフは226人在籍 しています(2023年4月1日現在)。
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鳥大病院では、どのような
経験が積めますか。
また一般の病院との
違いはなんですか。先進医療を行う
特定機能病院であるため、
前例のない治療に携わったり、
国内でも導入例の少ない最新機器を
扱ったりする機会が多く、
キャリアの中でより専門性を
高めていくことができます。一般の病院と、鳥大病院とのもっとも大きな違いのひとつは、本病院が山陰地域の高度医療・地域医療の中核を担う、三次救急医療施設であることです。
三次救急医療施設では、一次・二次施設では対応できないあらゆる患者さんへの医療提供が求められます。救命救急センターや高度救命救急センターが設けられ、24時間体制で救急患者の受け入れを実施。僻地に住む患者さんにも対応できるよう、山陰地方で唯一の、ドクターカー・ドクターヘリ両方の運用も行っています。これらの多様な医療の実践のため、本病院にはさまざまな最新機器や専門的な知見が集まっており、他施設では得られないような技能を習得することができます。
看護部であれば、ドクターヘリでの救急看護や、ダヴィンチなど先端機器を扱う手術現場での看護、在宅医療を支援する訪問看護がその一例にあたります。これらの現場は、希望次第で基本的に誰でも勤務・経験可能です。また、内科や外科といった一般の病院でも設置されている科においても、認定看護師や専門看護師といったスペシャリストに成長するための成長ラダーが整備されており、段階的に専門的な技術と経験を積めるようになっています。(下図参照)
また検査部であれば、品質管理や職員教育に関する国際規格ISO15189認定を取得した臨床検査室で、より高度な検査技術を身につけることができますし、放射線部では毎年多くの最新機器が導入されるため、世界基準の技術を扱う現場を経験することができます。
ここでご紹介した以外の現場においても、鳥大病院では一般の病院では扱わないような処置や治療が行われるため、より幅広く、かつ専門性の高い知識・ノウハウを培っていくことができる点では共通しています。
なお鳥大病院における高度医療について、詳しい取り組み内容は、Q4をご覧ください。
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鳥大病院は、高度医療への
取り組みが盛んと聞きました。
もう少し具体的に
教えてもらえますか?患者さんの負担が少なく、早期回復や
QOLの維持が見込める「低侵襲手術」に
積極的に取り組んでいます。
例えば、内視鏡手術支援ロボット
「ダビンチ」での手術実績は、2010年の導
入以降2,700例以上です。
(2023年時点)鳥大病院は、県内だけでなく山陰全域をカバーする高度医療の中核拠点です。この地域には高齢者も多く、術後、患者さんが寝たきりにならないよう、少しでも早く元の生活に復帰することが必要になります。
そこで当院では、体への負担が少なく早期回復が見込める低侵襲手術を推進しています。低侵襲手術とは、切開する範囲を少なくすることで、身体への負担、そして合併症のリスクを軽減し、手術後の回復を早めることができる手術法を指します。当院では、診療科の垣根を取り払い、医師をはじめすべてのメディカルスタッフが最善の低侵襲外科治療を提供する横断的組織である「低侵襲外科センター」を2011年に設置しました。
また低侵襲手術だけでなく、難易度が高く日本で術例が少ない手術についても、術者の技量や安全管理体制といった観点から当院の規定をクリアし、なおかつ患者さんへの貢献度が高いと判断したものについては積極的に採用。より多くの人に、より先進的で高度な医療を提供できるよう、日々医療体制を更新しています。(下表は一例)
もちろん、最善の治療を行うための機器・設備の整備も万全。鳥大病院では、内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」をはじめとする最新機器・設備を、国内でも早い段階から導入し、日本有数の高度医療を提供してきました。
なお低侵襲外科センターや、そこでの取り組みについては、コチラのWebサイトより、もっと詳しくご覧いただけます。
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鳥大病院ドクターヘリが
あるそうですが、どのくらい
稼働しているのですか?
また、やはり現場はものすごく
ハードなのでしょうか。ドクターヘリの一ヶ月平均稼働率は
約47件で、ほぼ毎日稼働しています。
そして鳥大病院の高度救命救急センターは、病院全体でのフォロー体制や
休暇取得推進など無理なく働ける
環境整備に努めています。鳥大病院の高度救命救急センターは、鳥取県西部地域を中心とした広域を担当する三次救急医療施設として、「断らない医療」を基本方針とし、365日24時間体制で救急患者の受け入れをめざしています。
また、山陰地域で唯一ドクターヘリ・ドクターカー両方の運用を行っており、一刻も早く医師や看護師が患者さんのもとへ駆けつけ、どんな場所でも高度な医療を提供できるように体制を整えています。2023年度の具体的な稼働件数は、こちらです。
救急車だけでも1日平均22件搬送されていることからも分かるように、救命救急医療の現場は決して生易しいものではありません。だからこそ、当センターではワークライフバランスを重視した運営を行い、充分な人員を確保したうえでの勤務交代制、休暇取得の徹底、定期的な面談などを行い、スタッフの負担を軽減しながら常に精力的に働ける環境を維持しています。
救命救急医療に興味がある方は、一度当センターの見学にいらしてください。ハードワークなイメージがあると思いますが、当センターでいきいきと働く職員をご覧いただければ、きっと不安も解消されるはずです。■災害拠点病院として
災害時における医療体制をどう構築していくか。近年立て続けに起こった災害を受けて、国は大きな課題を抱えています。鳥大病院は『災害拠点病院』として指定されており、これまで災害時には災害派遣医療チームDMATや国際緊急援助隊の一員として活動を行い、被害に合われた方々への治療に貢献してきました。
さらに専門的な知識・技術をもつ職員の育成、機動力の強化、院内全体で災害時医療の研修強化などに積極的に取り組み、有事の際にも最良の対応ができるように準備を行っています。より詳しい情報はコチラの鳥大病院高度救命救急センターのWebサイトをご覧ください。
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鳥大病院は地域で
どんな役割を
果たしていますか?山陰地方の中核拠点病院として、
地域と医療、患者さんをつなぎ、
支えている病院です。鳥大病院は、山陰地域全域における高度医療の中核拠点病院でありながら、地域の皆様の健康を支える病院でもあります。
救命救急センターではドクターヘリ、ドクターカーの両方を運用し、どんな場所でも最短でかけつけ、最良の医療を提供。さらに近年では自治体や地域の医療施設、介護施設などが連携するネットワークの中心となり、社会全体で医療を提供する「地域包括ケアシステム」の拠点としても活動しています。※地域医療の詳しい取り組みについては、Q12をご確認ください。
また、当院は医療機関であると同時に、地域の皆さまが豊かな暮らしを送っていただくために機能する存在でありたいとも考えています。
米子市の人口は約16万人ですが、鳥大病院1日の滞留人口は約5,000人。つまり鳥大病院は、この一帯でもっとも人が集まる場所だと言えます。それだけ当院は地域の文化的、経済的な拠点として地域活性を促す役割を担っていると受け止めています。例えば、
- ・院内で展覧会やコンサート、映画鑑賞会などのイベントを定期的に開催し、 新たな交流や文化の起点となる
- ・医療の知識や事例をわかりやすく編集した広報誌を通じて、 健康的な生活に役立つ正しい情報を届ける
- ・入院されている方の食事や、食堂で出される食事、院内で販売する ベーカリーなどは可能な限り地元の食材を使用し、地産地消に貢献する
- ・ノンフィクション、医療、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)をテーマとした セレクト書店「カニジルブックストア」を地域の文化発信拠点に
- ・外来玄関横にゲストハウス棟を新設。
1Fに薬局やバス待合所、
2Fに講演会やコンサートを開催できる多目的ホール、
3Fには患者さんのご家族や研修目的での来院者などが 利用できるホテルを備え、より活発な地域交流を促す
という風に、医療を提供する以外の領域でも、病院が地域のためにできることはたくさんあります。
すべては地域の皆様に、住み慣れた場所で自分らしい豊かな暮らしを送っていただきたいという思いから。今後も安心して生活するうえで欠かせないインフラとして役割を果たしていきます。
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医療現場で働く人たちから
自発的に生まれたチームが
あると聞いたのですが、
どんなチームがあるのですか?「ラピッドレスポンスシステム対応
(院内迅速対応)チーム」をはじめ、
医師や看護師など、それぞれ
専門を持つエキスパートが立場や
診療科を超えて患者さんのために
結成したユニークなチームがあります。鳥大病院では、診療科・職種の垣根を超えた職員でさまざまな専門チームを編成し、患者さんに最も適した治療を実践することで、日々医療の質向上に努めています。
例えば、次のようなチームがあります。- ・ラピッドレスポンスシステム対応(院内迅速対応)チーム
患者さんの状態が急変した時に、早急に治療にあたることができるように編成されたチームです。急変した後の処置だけでなく、重症患者さんおよび要注意患者さんの状態評価、急変予兆などの知識・スキルの向上を図っています。
この他にも、
- ・栄養サポートチーム
- ・院内感染対策チーム
- ・糖尿病医療支援チーム
- ・褥瘡対策チーム
- ・転倒・転落予防対策チーム
- ・心不全チーム
- ・結節性硬化症診療チーム
- ・高度肥満症治療チーム
などさまざまなチームがあり、医師や看護師だけでなく理学療法士や臨床工学技士、薬剤師などのメディカルスタッフを交え、それぞれが専門的な知見を提供して活発な意見交換を行っています。この自主的なチームによって、治療の効率化・スピード化や事故防止、より快適で負担のないケアの方法など、さまざまな状況に基づいた鳥大独自の医療のかたちを生み出しています。
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今後の鳥大病院の
目標を教えてください。地域とつながるトップブランドの
病院を目指しています。
高度先進医療を提供し、
優れた医療人の育成を行なうとともに、
患者さんにとっても働く人にとっても
やさしい病院でありたいと
思っています。鳥大病院は、医療拠点としていくつもの役割を兼ね備えています。最新の研究設備・機器が集まる高度医療の提供機関としてだけでなく、重篤患者や急患に対応する三次救急医療機関として、患者さんや自治体などをつなぐ地域医療のハブとして、そして「思考できる」よりよい医療人の育成機関として、鳥取県および山陰地方全域の地域医療・高度医療を支えています。
病院として私たちがとくに重視しているのは、「考える医療」を施すこと。症状を抑えることだけを目的として、マニュアル通りの診察や処置を行うのではなく、患者さんの口調や表情、生活状況などいろいろな側面から最善の治療・看護・リハビリを提供できるように努めています。思考力を持つ医療人の育成に力を入れ、国内でも数少ない最新機器の導入にも積極的なのは、そのためです。
(「考える医療人」についてはQ16を、最新機器の導入についてはQ4をご覧ください)一方で、労働時間の長さや離職率の高さなどから問題視される職場環境の改善にも、病院全体で精力的に取り組んでいます。「より多くの患者さんを救いたい」「地域医療の発展に貢献したい」など、さまざまな目標やキャリアプランを持つ職員たちの自己実現を促す上で、彼らが長く働きつづけられる職場環境は不可欠であり、そのような“志”を持った医療人が集う病院をつくることこそが、患者さんが安心できる医療環境につながると考えているからです。
鳥取県のみならず、山陰地方のトップブランドの病院となることをめざす、本病院のさまざまな施策や制度については、他29の回答よりご覧ください。
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鳥大病院では、
どんな人材を
求めていますか?なにか目標がある方、
頑張りたいことがある方。
これから理想の医療人像を
見つけたいという方も歓迎します。職種によって求められるスキルや知識は異なりますが、鳥大病院で働く職員は皆、何らかの目標や将来像をもって業務に励んでいます。
病院は人の命を預かる場所。特に大学病院は、一般病院に比べて高度で専門的な医療を必要とする患者さんが来院されます。症状からあらゆる可能性を導き出し、一分一秒を争う判断と処置を必要とする部署や、日常生活のちょっとした変化から診断を行い、長いスパンで患者さんの人生を支えていく部署など、職員はスキルだけでなく医療人として終わりのない学びへの意欲が求められます。ハードルが高いように聞こえますが、だからこそ目標をもつことが大切なカギなのです。何かを目指し、やり遂げたいという想いは、仕事への活力を生み、日々の行動の指針にもなります。ただ業務をこなすだけではなく、成長意欲を持って創意工夫を行いながらを仕事へ取り組むことが、プロフェッショナルに近づくために必要なことだと当院は考えています。
まだ医療人としての明確なビジョンがない、わからないという方もご安心ください。鳥大病院には診療科を超えたチームがいくつもある他、勉強会や研修を頻繁に行うなど、新人でも多彩なプロフェッショナルと交流できる機会がたくさんあります。日常的に勤務する中で先輩や上司、同僚などの働きぶりから刺激を受けることも多く、一つひとつの業務に真剣に取り組むことで自然となりたい医療人像がみつかっていきます。
職員一人ひとりがステップアップすることは、病院の総合力につながります。そしてそれが患者さんや地域に還元されていきます。当院はその人の力による好循環を維持、拡大できるようにさらなる革新を続けていきます。この好循環を生み出す人、つまりは自己の成長を止めない人を、私たちは仲間として迎えたいと考えています。
いまよりも成長したい、そんな志がある方を、当院はお待ちしています。
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地域に貢献できる医療人を
めざしています。鳥大病院では
どんな地域医療への
取り組みがありますか?地域社会全体が連携しながら
患者さんのQOLを支える
医療モデルをめざして、
当院が中心となって
ネットワークを作り上げています。高齢者が多い山陰地方において、入院時だけでなく患者さんの退院後の生活にまで継続的な支援を行える医療体制づくりは、大きな課題となっています。
例えば一人の患者さんの入院前〜退院後までのフェーズごとに、自治体や病院、医療従事者が個別に対応していては、情報の連携に多くの人員や時間が必要となり、誤った伝達が行われるリスクが高まります。そこで鳥大病院は、入院前から退院後まで迅速かつ適切に医療を提供し続けられるよう、地域の医療関係者が一体となって情報を共有し、患者さんを支えていく仕組みを整えるためのさまざまな試みを主導しています。
1.鳥大病院と、地域病院との連携
近隣地域の20病院で連携して医療連携協議会を設立。転院などの際、互いに連携して転院調整を行うことで、患者さんに対してシームレスに医療サービスを提供することができます。また、西部医師会主催の在宅ケア研究会に、鳥大病院の看護師や医療ソーシャルワーカー等が積極的に参加し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な在宅ケアを行えるよう研鑽に努めています。
2.鳥大病院と、患者さん/ケアマネジャーとの連携
鳥大病院では、入院時の担当看護師が、退院した患者さんへの訪問看護を実施。生活状況を直に把握し、地域のケアマネージャー、訪問看護師、福祉用具担当者と密に情報交換を行いながら、患者さん本人の病状や意向、生活に合わせて継続的に支援を行っています。
3.鳥大病院と、自治体との連携
米子市や境港市などの自治体と意見交換を行い、自治体が持つ在宅ケア患者向けサービス情報を本病院に集約。例えば退院前の患者さんに対して、介護サービスやリハビリプログラム、筋力維持のために参加できるボランティア活動など、在宅で受けられるサービスを事前に案内することで、退院後にスムーズに日常生活へと移行できるよう促しています。
このように、大学病院がコアとなった地域医療連携の取組みは全国的にも珍しく、未来の医療体制をつくるモデルケースのひとつとして、他の自治体や医療機関などからも注目を集めています。さらに詳しく知りたい方は、医療福祉支援センターのWebサイトをご覧ください。