とりだい病院は〝地域と歩む高度医療の実践〟という理念を掲げています。
地域の方々が治療が難しいとされる病気になったとき、この地で治療ができないので大都市の病院に行ってほしい、ということは言いたくない。医療における地域格差があってはらない。その思いから、とりだい病院ではロボット支援手術など、先進的な治療法や医療技術を導入し、日本トップレベルの医療提供に日々邁進しています。
医療の世界は日進月歩。治療分野は細分化、専門化が進んでいます。そして大学病院にかかるには紹介状が必要。そのため、風邪にかかったという患者さんはなかなかとりだい病院に来ていただくことはできません。もちろん、病気になる前の予防――未病対策にもとりだい病院は力を入れています。それでも高度医療を突き詰めれば突き詰めるほど、どうしても地域との距離が遠くなってしまう。どのように"地域と歩む"ことと"高度医療の実践"を両立すればいいのか、地域の方々に親近感を感じてもらうにはどうすればいいのか、歴代病院長は頭を悩ませてきました。
前病院長の原田 省・現鳥取大学理事は「病院は社会的共通資本」であるという考えから、ゲストハウス棟の多目的ホールなどで文化発信を行なってきました。原田理事の後を引き継いだ武中 篤病院長は、さらに踏み込み「Our hospital(アワーホスピタル)~私たちの病院」となるため、「とりだい病院サポーター制度」を始めることになりました。
武中病院長はこう呼びかけます。
「たくさんのサポーターが出入りすることにより、患者や職員、学生、市民の間に新たなコミュニティが生まれ、そこでの交流が互いの喜びや励みにつながれば、活気あふれる真の『Our hospital』になれると思っています。そして、いざという時は、とりだい病院があるという地域の安心感につながる。その安心感は、とても大きい財産になるのではないでしょうか。病院だから、という枠を取り払い、誰もが病院でやりたいことを自由に発想していただきたい。大学病院に縁のなかった人も、自分のやっている活動を病院で試してほしいです」
『カニジル』では、次号から、本格的に動き出した「とりだい病院サポーター制度」の活動を紹介していきます。
鳥取大学医学部附属病院
医療支援課 患者サービス係
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