1. TOP
  2. 歯科衛生士
高度な医療に挑戦しつづける職種のコト。高度な医療に挑戦しつづける職種のコト。
歯科衛生士
歯科衛生士
鳥大病院の
歯科衛生士の特色
1
ケアプロセスに
基づいた
歯科衛生診断

さまざまな疾患を有する患者さんについて、その病態や内服薬、検査データなども含めて全体的に把握した上で口腔内の状態を評価できる幅広い知識、すなわち「歯科衛生士としての診断力」が求められます。

2
病院内外で
口腔ケアの重要性を広め、
地域医療に貢献

鳥大病院の歯科衛生士は、患者さんに対してだけでなく、看護師に口腔ケアの手技を指導したり、地域歯科衛生士への講演会に講師として出席するなど、地域全体の口腔ケアの技術向上に貢献しています。

3
口腔ケアのプロとして、
多職種とともに
チーム医療に参画

近年、口腔内細菌と全身疾患との関連性が知られてきており、人工呼吸器管理中の患者さんや緩和ケア、栄養管理などを通じて、多職種と連携しながら患者さんの状態改善・治療方針の立案に携わっています。

研修内容

大学病院の歯科衛生士は、さまざまな疾患を持つ患者さんの口腔ケアに携わるため、全身疾患の病態についての知識を学びながら、血液検査データや口腔に対する薬剤の副作用等も把握して、口腔感染症や口腔機能低下の予防に努める必要があります。そこで当科では教育研修としてOJTを採用しており、先輩職員とともに患者さんの診察に当たりながら、症例への向き合い方を個別に学んでいくこととなります。また必要に応じて、院内外の研修に参加してもらうほか、下記のような取り組みを通じて、質の高い診察を行える歯科衛生士を育成しています。

症例報告会 月1回のカンファレンスで疾患別の症例報告を行い、全身疾患やその病態、内服薬、カルテ記載方法、コミュニケーションの取り方について学びます。
日本口腔ケア学会認定
資格
への受験
(3級以上)
会員歴3年以上、ならびに実施症例が30例に到達すると、日本口腔ケア学会認定資格の受験資格を得られます。当院では、歯科衛生士全員が資格の取得を目標としており、科全体のバックアップ体制も整えています。
研究発表 採用後3年以内に県内、および全国で口演発表を行います。
基本的な勤務体系
診療開始前の準備 8:30~
朝のミーティング 8:45〜
診療※ 9:00〜 (30分枠に患者1名。
1日最大で12名の診察)
休憩 12:45〜
診療※ 13:30〜 (30分枠に患者1
名。1日最大で12名の診察)
診療後の作業 16:45〜(歯科器材の洗浄、
滅菌依頼、歯科チェア清拭、
カルテ入力)
終業 17:30〜 (各科より依頼される口腔ケアについての出前教育や、
がんセミナー講師、所属チームのカンファレンス等に参加して終業)

※30分枠に患者1名、1日最大で12名の診察。周術期口腔ケア(手術、抗がん剤治療、放射線治療)をはじめ、歯科保健指導、歯科診療補助、歯科予防処置等の外来診療や、救命病棟、集中治療室への往診、NICUおよび手術室での型どりや補助なども実施。

施設・設備
オーラルクロマ
(口臭測定器)
口臭測定器です。自臭症の方などのスクリーニングに使用します。
シムプラント
歯科用インプラント埋入計画時の顎顔面骨の評価および解析用ソフトです。
CBCT
コーンビームCTとも呼ばれる、歯科用CTです。
内視鏡
鼻咽腔閉鎖機能の評価などに使用します。
Bio PAK
(顎運動測定器、筋電図)
矯正の治療計画時に、顎運動機能測定および解析に使用しています。
口腔機能低下症
診断用機器
・口腔水分計ムーカス®
・舌圧測定器
・グルコセンサー
・デンタルプレスケール
(咬合圧測定)
よくある Q&A
  • 口腔内環境の改善と、
    術後合併症の予防は、
    どのような
    関係があるのでしょうか?

    口腔内細菌が原因で
    起こりうる
    さまざまな症状を
    予防することが、
    術後合併症
    の予防につながります。

    口腔内の細菌が原因の歯性感染症や術後の人工呼吸器関連肺炎、および誤嚥や不顕性誤嚥による肺炎を予防することで、患者さんのADL(日常生活の中で生じる基本的な動作)の低下を防ぐことになり、その結果、早期退院につながります。また口から食べる機能を維持することで低栄養や誤嚥による症状を予防したり、がんの患者さんに対して口腔粘膜炎、口内炎などの口腔有害事象を予防することで、化学療法や放射線治療の完遂に貢献したりすることができます。
  • 患者さんの術後合併症の予防の
    ために、
    どのような口腔ケアの
    指導を行っていますか?

    全身状態の問診から生活指導、
    口腔内の評価まで、患者さんの
    個々に合わせたきめ細やかな
    指導を行います。

    術後合併症や口腔機能低下を予防するために、患者さん一人ひとりに合わせた口腔ケアプランの立案や、ブラッシング指導、摂食嚥下訓練など、さまざまなことを行っています。現病歴、既往歴、内服薬などを問診、さらに歯周ポケット検査、口腔衛生状態などの検査とあわせて口腔内の状況を評価し、個々に合わせた指導内容を考えます。また、喫煙、飲酒、嗜好品、睡眠時間を含めた生活指導など、さまざまな視点を持ち術後合併症の予防につなげる口腔ケアを実践しています。
  • 歯科口腔外科での業務には、
    どのようなスキルや
    資質が
    求められますか?

    多職種と連携する力と、
    全身の医学的知識の習得は
    必要不可欠です。

    患者さんの治療効果を上げ、リスクを減らすためにはチーム医療の実践が重要です。さらにさまざまな職種の人たちと連携するためのコミュニケーション能力は必要不可欠です。また、先述のように口腔だけでなく全身の健康を守ることができるよう、全身疾患の病態や治療方法、内服薬や治療薬の有害事象についてなど、幅広く知識を習得することが重要です。鳥大病院の歯科衛生士は、患者さんにより高度な医療を提供するために研究発表や、「日本歯科衛生士学会認定歯科衛生士」「日本口腔ケア学会口腔ケア認定資格」などの自己研鑚に日々励んでいます。
先輩に聞く
「鳥大病院」が
めざす
歯科衛生士像
とは?
口腔の健康は、
最良の医療への入口。
渡辺 靖子 勤務歴:11年
鳥大病院では、主にがん患者を対象に周術期口腔機能管理に力を入れています。周術期口腔機能管理とは術前・術後の口腔ケアを通じて、誤嚥性肺炎や口腔内からの感染症を予防し、患者さんのQOLや治療の効果を上げ、合併症を減少させ早期退院をめざす取り組み。術後感染症の予防や口腔機能低下予防に貢献できるため院内での歯科衛生士の存在感とやりがいは高まっていると感じています。さらに私は現在、地域と連携してのオーラルフレイル対策に取り組んでいます。定期的に歯科検診を行っている人であっても、オーラルフレイルに陥っていることに気づかない人も少なくありません。鳥大病院で周術期口腔機能管理の実施やオーラルフレイル対策に積極的に取り組むことはもとより、退院後も別の病院や施設、歯科開業医で継続的に口腔内管理を提供できる体制作りをめざしています。地域での啓発活動や歯科開業医などとの連携によって、地域が進める全身のフレイル対策、健康寿命延伸に積極的に取り組み、貢献したいと考えています。
渡辺さんの先輩田部さん
渡辺さんに対する
最初の印象は
どうでしたか?

おっとりとして落ち着きのある雰囲気で、しぐさに品のある方だなと感じました。また歯科衛生士としての資質向上に努める姿勢を日々の業務を通じて感じています。


これからの渡辺さんに
期待されていることは
何でしょうか?

渡辺さんは歯科口腔外科の次期リーダーとして十分な資質を兼ね備えています。泰然自若とした態度で周囲に信頼と尊敬の念を与え、鳥大病院だけでなく、鳥取県全体の歯科衛生士を牽引するリーダーとして活躍してくれることを願っています。

渡辺さんにとって、
田部さんってどんな人?
私たちの現場の雰囲気を、いつも良好に保ってくれるリーダー!スタッフ同士が意見や提案を出しやすい、風通しの良い職場なのは、いつも明るく場を盛り上げてくれる田部さんのおかげです。
渡辺さんの後輩 石見さん
渡辺さんから
教わったことの中で、
特に印象深いことは
何ですか?

入職したての頃は学ぶことの多さに加え失敗も多く、タスクばかりが積みあがっていき大変でした。そんなとき渡辺さんから、「ちゃんとやっていれば、周りは認めてくれる」と声をかけてもらえました。この言葉のおかげで、私はいまでも頑張れている気がしています。

渡辺さんの
「ココがすごい!」と
感じることを
教えてください。

目を見張るのは、度胸のすごさです!何事にも動じない冷静さがあり、講習会や学会発表など、どんな場面でも落ち着いています。渡辺さんが緊張している場面や慌てているところを見たことがなく、次期リーダーと言われるのも納得の安定感です。

渡辺さんにとって、
石見さんってどんな人?
歯科衛生士の中では最も若手ですが、とても頼れる後輩です。私には無い観点で業務内の課題やその対策を導き出す発想力を尊敬しています。患者さんへ親身に対応する姿勢も素晴らしく、見習うことばかりです。
※勤務歴などインタビュー内の情報は、2023年取材当時のものです。