1. TOP
  2. 臨床工学技士
高度な医療に挑戦しつづける職種のコト。高度な医療に挑戦しつづける職種のコト。
臨床工学技士
臨床工学技士
鳥大病院の
臨床工学技士の特色
1
職員、患者さん、
医療機器の間に立ち、
安全な医療環境に貢献

臨床工学技士は機器の保守管理だけでなく、血液浄化や体外循環など、さまざまな臨床業務に携わるほか、医療スタッフへの操作トレーニングも行っており、人との関わりが多い仕事です。

2
山陰地方屈指の高度医療
を支える、独自の
シミュレーション教育

当センターのベテラン技士がつくる教育プログラムは、機器のトラブル時に、いかに被害を最小限に抑え、機器を通常時に戻すかを徹底して訓練するため、新人でも効果的に実践力が身につきます。

3
それぞれがめざす
臨床工学技士へ、
キャリア
アップを
積極サポート

臨床工学技士には、よりレベルの高い専門業務を行うための認定資格がたくさんあり、それらの資格取得のための学会や研修会への参加には、シフト調整や補助金支給などの支援を惜しみません。

研修内容

初期研修はおよそ2年間行われます。はじめの1年半は、MEセンターで管理している機械の点検や院内への貸し出しなどから始まり、手術室、カテーテル室、透析室、ICUなど複数の施設を回りながら、数カ月単位で各部署の基本業務を経験してもらいます。その後、半年は希望の分野やロボット手術など大学病院ならではの業務を実践。並行して、学会発表も行います。自分で実験しデータをまとめ、発表し、批評を受けるという経験を通じて、臨床工学技士に必要な探究心・好奇心を培ってほしいと考えています。3年目以降の研修体制については、下記表をご覧ください。

クルー研修 主に3年目以降の職員が受講します。主担当、および副担当分野の研修を積んで専門性を高めつつ、呼吸・透析・高圧いずれかの学会認定取得をめざします。
トレーナー研修 主に5〜7年目の職員が受講します。業務に必要な学会資格を取得するなど自己研鑚を行いながら、チームや後輩、学生の教育も行えるよう「教える立場」としての成長を促します。
マネージャー研修 主に8〜10年目以上の職員が受講します。専門臨床工学技士の資格の取得など、より専門性に磨きをかけながら、専門分野以外についても学習。医療機器を安全に取り扱える職場環境づくりを担える力を養っていきます。
基本的な勤務体系
出勤・血液透析準備 8:00〜
透析導入、管理、
トラブル対応
8:45〜
昼休憩 11:00〜
透析導入、管理、
トラブル対応
11:45〜
午前の患者さんの回収、
午後の患者さんの準備
12:30〜
透析導入、管理、トラブル対応 13:00〜
午後の患者さん回収、
翌日の準備
17:00〜
終業 18:00
関連機器・設備と業務
血液浄化
一般的な血液浄化は、急性のものも含めて行っています。併せて、CARTや末梢血幹細胞採取なども行っています。
人工心肺/人工心臓
主に、成人心臓血管外科手術での人工心肺を年間100件以上運転しています。またハートチームの一員として、重症心不全の患者さんに使用する体外式及び植込み型補助人工心臓の植込みおよび管理も行っています。循環補助、呼吸補助のECMOやIABP、Impellaの管理も担当します。
呼吸療法
人工呼吸器の機器管理だけでなく、呼吸管理全般をさまざまな分野で行っています。
カテーテル関連
心臓においては、虚血および不整脈関連のものについて、機器操作、術野での介助などを医師の指示のもとで行います。末梢血管の治療に対しても同様に担当しています。
高気圧酸素治療
鳥大病院が保有している日本最大の治療装置の管理・操作を行っています。
OPE室/
ロボット支援手術
手術が安全に進行するように、日々準備とメンテナンスを実施。術中の機器トラブルや、大量出血などの緊急時への対応も行っています。
ICU、NICU、
救命センター業務
全身管理に必要な機器の操作、管理を行っています。対象機器は、人工呼吸器や血液浄化装置、補助循環、体温管理装置、NO吸入など多岐にわたります。
よくある Q&A
  • 育児中でも
    働きやすい環境ですか?

    出産前から育児中まで
    全員で協力し合う、
    安心して働ける環境です。

    男女ともに育児と仕事を両立できるよう、妊娠したスタッフだけでなく、パートナーが妊娠した男性スタッフも、早退や夜勤、待機などのシフトを調整できるようにし、必要に応じて担当業務の変更も行っています。出産後も、子どもの学校行事などの用事ができた際に休むことができるように、協力し合っています。また、子育てをしているスタッフ以外にも全員が1週間の休みを年に2回取れるようにするなど、MEセンターのみんなが仕事と生活のバランスを取りながら気持ちよく働ける環境をつくっています。
  • 最新の知識や機器の
    扱い方などは、
    どのように
    学ぶのでしょうか?

    入念なシミュレーションと
    実践を繰り返して
    身につけます。

    新しく入った方には、まず指導者がやって見せた後、「シミュレーションし、実践し、反省する」ということを繰り返して、覚えてもらうようにしています。実際に患者さんに治療を行う前に、さまざまなシナリオを想定してシミュレーションしながら要点をおさえるのですが、このときに重要なのは、自主性。「その時がきたからやる」というのではなく、常に本番を意識して準備を怠らないことが大切です。生命維持装置を扱うことも多いので、私たちスタッフはその責任を十分に自覚しながら、日々必要な技術や知識を習得するようにしています。
  • 臨床工学技士としての
    専門認定技師資格には、
    どのようなものがありますか?

    資格の種類は多岐にわたります
    が、
    いずれも病院のサポートを
    受けることができます。

    数が多いので具体的な資格名については当MEセンターのWebサイトを見ていただきたいのですが、各業務分野にある所定の基準が資格ごとにあるので、それをクリアしていくことになります。日々の自己学習だけでなく、学会や研修などに参加しながら、資格取得に必要な力を身につけることができます。また出張が必要なときは、病院が費用をサポートする制度もあります。ただ、資格取得は理想の医療を提供するための、あくまで通過点であるという認識を持ち、日々目の前の患者さんに向き合う意識も大切にしてほしいです。
先輩に聞く
「鳥大病院」が
めざす
臨床工学技士像
とは?
現場で痛感した
“怖さ”が、
成長の糧になる。
小林 絵里佳 勤務歴:2年
鳥大病院の臨床工学技士は、生体情報モニターから電子内視鏡、透析装置や人工呼吸器に至るまで、さまざまな医療機器の操作・維持管理を行います。特に機器のトラブル対応時は患者さんの目の前で対処しなければならないことも多く、正確かつ迅速な対応が求められる一方で、一刻を争う事態に手が震えて、頭が真っ白になることもあります。そんな時は「私がやるしかない」と、深呼吸をしてまずは自分を落ち着かせるようにしています。どれほど高度な機器でも、医師や看護師が力を尽くしても、助からない命があるのは確かです。だからこそ、常に万全の状態を維持し、操作する自分は誰より機器や疾患、その症状を熟知していなくてはなりません。自分の判断ひとつが命に直結する臨床工学技士という仕事。それでも、意識不明の患者さんが回復されて、初めて声を聞けたときは、言い表せないほどうれしかったことを覚えています。怖さを勇気に。これからも患者さんの安全な社会復帰を支えていきたいです。
小林さんの上司山増さん
  • 小林さんの
    「臨床工学技士としての
    強み」は何でしょうか?

    元気よく受け答えするので話しかけやすいところです。看護師も、患者さんも、機器のことだけに集中して黙って仕事をしている人には相談しにくいですから。小林さんはまだ新人ですが、そういった些細なコミュニケーションの中で信頼を獲得していけると思います。

  • これからの小林さんに
    期待されていることは
    何でしょうか?

    いろいろな業務に興味を持ってもらいたいです。人間の臓器は複雑に関連し合っており、単一分野だけを学べばよいわけではありませんし、倫理的な学習も必要になると思います。持ち前の明るさと分析能力をいかんなく発揮し、思いやりのあるCEになってください。

小林さんにとって、
山増さんってどんな人?
業務の進め方、機器の知識など、さまざまな場面で、どんな些細な質問にも丁寧に向きあってくださる、とても頼れる先輩です。他職種のスタッフからの信頼も厚く、誠実に仕事に向き合う姿は私の目標です。
※勤務歴などインタビュー内の情報は、2023年取材当時のものです。