入院は、患者さんにとっては人生でそうそう経験することのない一大事。経験しないに越したことはないものの、いつその時が訪れるかは分からない。今回は入院・見舞いの心得をとりだい病院を例にお伝えしよう。
入院の仕方にもいろいろあり、通常は診察時に予め日程を調整するのだが、救急搬送されてそのまま入院というケースも少なくない。いずれにせよ、入院が決まると必要書類とともに手続きの方法や必要な物など、入院生活に関するアレコレが詳しく書かれた「入院案内」冊子を看護師から手渡される。大抵のことはこれを読めば解決するので、必ず目を通しておこう。入院時の持ち物で案外忘れがちなのが、筆記用具や携帯電話の充電器、そして常用薬である。院内の売店で購入できるものはいいけれど、薬は医師が処方箋を出さないとお渡しできないため、常用薬のある方は、忘れることがないようご注意いただきたい。
入院するということは、24時間、医師や看護師の管理のもとで過ごすということでもある。家で自由に過ごすのと違い、スケジュールも行動も制限される上に、大部屋では見ず知らずの人たちと同室で過ごさなければならない。食事が美味しくないとか、隣の人のいびきがうるさくて眠れないなど、入院生活には何かと悩みがつきもの。「病気を治すため」「お互いさま」とある程度は割り切っていただければ幸いだ。そうは言っても、我慢のしすぎは禁物。担当の医師や看護師に遠慮なく相談してみよう。
入院生活は不自由なことばかりではない。病院でも無料でwi-fiは使えるし、不在者投票で一票を投じることもできる。長期入院のお子さんは院内学級で小中学校の教育を受けられる。味気ないと思われがちな病院の食事も、季節の献立や選択メニューも提供され、栄養バランスや工夫も凝らされている。