鳥大医学部の脳神経小児科は、国立大学として日本で初めて開設された、小児神経疾患の専門診療機関講座。古くから小児の病気に取り組んできた歴史があり、とりだい病院は『子どもにやさしい病院』であると思っています。
現在、小児病棟では、国の方針により付き添い者の負担軽減が求められています。子どもの入院に付き添いは不可欠。長期に及ぶこともあります。そうしたなか、付き添い者の負担を少しでも軽くしていこうという動きがあるのです。
しかし一方で、子どもの権利条約では「子どもは親や養育者とともにいる権利」が謳われています。『子どもにやさしい病院』を考えた場合、どちらかに負担や我慢を強いるのではなく、双方に配慮した策を講じていかなければなりません。
例えば、面会を24時間可能にして自由に出入りができるようにしたり、デジタルデバイスを使って付き添い者が不在でも十分に見守りができるようにする。付き添い者が一人でリラックスできるスペースを病棟内に設けるなど、様々な事例を参考にしながら、とりだい病院ならではやり方を考えていきたいと思います。
新病院では災害などの有事に備えて、体制の強化が図られています。しかしすべての患者を受け入れることは難しい。だからこそ大学病院の医療者が、二次医療機関やクリニック、行政、福祉などの人たちと積極的に交流し、地域全体で対応できる力を育てていくことが必要です。
当科では、日常生活において人工呼吸器など医療を必要とする「医療的ケア児」の災害対策に地域と連携し取り組んでいます。検討を重ねる中で、互いに高め合える関係性になってきています。このような外に出向くアウトリーチ支援が、今後はより重要になってくると思います。
さて私は今、『とりだい病院ヤングサミット(略称:ヤンサミ)』のリーダーを務めています。ヤンサミは各職種の若手職員11人が集まり、日常業務での気づきを若手ならではの視点で検討・提案し、より働きやすい病院を目指して活動しているチームです。
新病院について職員からアイデア募集があった際、ヤンサミも応募し、「リハビリ専用アスレチック施設」を提案しました。リハビリを行う場所を、診療時間以外は職員や地域住民が楽しく体を動かせるコミュニティスペースとして開放してはどうかというもの。新病院の中身をどう有効活用していくかについては、ぜひ若い世代の柔軟な発想を取り入れてほしい。とりだい病院は職員の意見に耳を傾ける土壌はできているのだから、若手もどんどん意見を言わないともったいない。ヤンサミの私たちが声を上げ行動することで、院内の若い世代が「これは自分たちにも関係することなんだ」と感じるきっかけとなり、そうした意識が病院全体に広がって、新病院ができ上がっていくプロセスをみんなで共有できたら嬉しい。これからも、とりだい病院が職員や地域に『愛される病院』であるよう私も働きかけていこうと思います。
脳神経小児科 助教
中村裕子
2009年鳥取大学医学部卒業。沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修。2011年鳥取大学医学部付属病院脳神経小児科入局。山陰の病院で勤務後、埼玉県立小児医療センターに国内留学。2019年より鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科、現在に至る。