Tottori Breath 大阪・関西万博と『待たずにラク~だ』



Tottori Breath

入場券販売の伸び悩み、事前の盛り上がりに欠けるなど開幕前に不安視されていた大阪・関西万博が4月13日に開幕した。本誌が皆さんの手に届く頃にはアジア初の国際博覧会として記憶に刻まれた、1970年の大阪万博と同様に盛り上がっているはずだ。

なぜぼくが万博に肩入れしているかというと、『よみうり万博チャンネル』(https://www.youtube.com/@yomiuri_expo)という新聞連動の動画チャンネルプロデューサーとして、これまでたくさんのパビリオンの魅力を伝えてきたからだ。その他、万博の目玉の1つ、空飛ぶクルマのシンポジウムを大阪市内で開催してきた。7月1日には万博会場内のEXPOホール『シャインハット』でスペシャルイベント『今日は一日鳥取県~まんが王国とっとりの魅力~』を企画。人気のテレビアニメ『名探偵コナン』(読売テレビ放送)の元チーフプロデューサー諏訪道彦さんと一緒にイベント演出を務める。

ぼくは未来を体験できる万博が大好きだ。

当然ながら、70年万博は1週間学校を休んで隅々まで見物した。当時、ぼくは8歳。境港から大阪まで出かけた。あの時の"未来”への興奮は、今でも鮮明に覚えている。

その後、読売テレビのアナウンサーとなり、1990年に大阪・鶴見緑地で催された特別博「国際花と緑の博覧会」では連日生中継。2005年愛知県で開かれた「愛・地球博」でも取材中継を担当した。2010年中国「上海国際博覧会」では、パビリオン建設と開会式を中継。会場の大混雑、変貌する上海の姿を伝えた。万博取材の担当をずっと続けてきた万博マニアなのだ。

今回の万博の開催地は、江戸時代から薬種問屋が軒を連ね、日本の医薬品産業の発展を牽引してきた大阪。現在も最先端のライフサイエンス研究拠点や大学、研究所も多数存在する。『大阪ヘルスケアーパビリオン Nest for Reborn』には、医療関係企業が500社近く出展し、健康データの測定や来場者の栄養測定、健康体験やヘルスケアの提案も行われる。医療の未来が体験できる。

再生医療、遠隔治療、AI診療の最前線や未来の病院の姿、健康データを活用して、病気治療や医薬品開発—普段見ることのない現場も体感できる。機会があればぜひ万博に足を運んでもらいたい。

医療の未来はワクワクする。我がとりだい病院でもワクワクする取組みが去年10月からスタートしている。医療費後払いサービス『待たずにラク~だ』である。

病院の外来で、さんざん待たされてようやく診察を受け、「さあ、家に帰ろう」とすると、会計でまた待たされる。

とりだい病院の外来の1日の利用者は、平均して1500人以上。会計が重なる午前11時から午後1時の待ち時間は、長い時には1時間近くにもなるという。会計待ちの人数は、外来ロビー混雑と駐車場の満車にも影響していた。「病院は待つもの。仕方ない」というこれまでのイメージを解消するために生まれた画期的なシステムが『待たずにラク~だ』なのだ。

後払いサービスは、ホームページからクレジットカードを登録。またはアプリ『とりりんりん』で初回のみ支払いカードを登録するだけ。あとはカードで自動的に決済される。

病院に来て『とりりんりん』アプリで受付。あとは外来診察まで喫茶や仕事、読書など自由に院内で過ごし「りんりん」とアプリが鳴ったら診察室へ。診察後は書類を窓口に渡したら、そのまま帰宅。会計金額はメールで通知され5日後にクレジットカード決済。領収書も発行可能。

技術の進歩で、病院の待ち時間が解消されていく。どんどん病院が便利になるのだ。



結城豊弘
1962年鳥取県境港市生まれ。テレビプロデューサー。鳥取大学理事と本誌スーパーバイザーを務める。鳥取県アドバイザリースタッフ。境港観光協会会長。