永久保存版!!
とりだい看護師⭐︎直伝
簡単むくみケア

構成 大野華代  イラスト 矢倉麻祐子


「むくみ」とは、血流の低下によって体内に余分な水分が溜まってしまった状態。 「ストレスがかかると血管が緊張してこわばって血流が悪くなるので、老廃物がきちんと回収されなくなります。 その状態が続いて疲れが溜まると、むくみの症状になって現れます。体全体はつながっているんです」 と語るのは、看護師歴29年以上の村田千恵さん。 とりだい病院の全病棟で、患者の心身のケアやマッサージの施術を行なっています。  今回は村田さんにむくみを解消する方法を伝授いただきました。 ひとりでできる簡単なマッサージのほか、日々のむくみケアのために大切なポイントもご紹介。 お仕事の合間やおやすみ前など、毎日のちょっとした時間にぜひ取り入れてくださいね!

簡単むくみケア


教えてくれるのは、とりだい病院看護師の村田千恵さん!
島根県安来市出身。1993年松江赤十字看護専門学校卒業。2013年鳥取大学大学院修士課程卒業。2009年以降は新生児集中ケア認定看護師として、産婦人科や小児科の患者さんと向き合ってきた。2019年ホリスティックケアプロフェッショナルスクール卒業。JACC(日本臨床心理カウンセリング協会)認定臨床アロマセラピストの資格を取得。
簡単むくみケア


  1. 手をしっかり密着させて手首からひじまでを往復。
  2. ひじを上にあげて、ひじから肩を往復してほぐします。 簡単むくみケア
  3. ほぐしたら脇の下のリンパ節に流してあげます。 簡単むくみケア

POINT
強く圧をかけるのではなく、手のひら全体を密着させてほぐしましょう。心地良いと感じる力加減でOK!



手のひら・指先
  1. 水かきを親指と人差し指でつまんでほぐします。 簡単むくみケア
  2. 指の付け根から先端に向かってくるくると2~3周回します。 簡単むくみケア
  3. 手のひらは親指で押さえるようにしてほぐしてください。

POINT
マッサージのオイルやクリームは自分の肌質に合う使い心地が良いものを選びましょう。ただし、使用期限は必ず守りましょう。



もも
  1. 膝からももにかけて往復。内側をほぐしたら次は外側をほぐします。
  2. ほぐしたら足の付け根のリンパ節に流してあげましょう。 簡単むくみケア

POINT
凝り固まった部分をほぐし、末梢から中心に向かって老廃物をリンパ節へ流すという動きを意識しましょう。「ほぐして流す」はセットです!



ふくらはぎ
  1. 膝から足首までは撫でるように。 簡単むくみケア
  2. 足首からふくらはぎは持ち上げるように。
    • ふくらはぎの骨のあたりに沿ってくるくると回すようにほぐします。
    • ほぐしたら膝のリンパ節に流します。
    簡単むくみケア


  1. 手と同じように水かきをつまんでほぐし、指の付け根はくるくると2~3周。反対周りに2~3周回します。 簡単むくみケア
  2. 足の甲や足首は手のひらを密着させて全体をほぐします。 簡単むくみケア

POINT
足裏は土踏まずのあたりが膀胱、尿管、腎臓の反射区。重点的にほぐしてあげると、おしっこが出やすくなるためむくみ解消に効果アリ。

簡単むくみケア



簡単むくみケア

むくみのケアは
翌日にもちこさない

むくみは疲労が溜まっているサイン。毎日少しずつケアをすることが重要。

「疲れが溜まった状態って、汚れの溜まった部屋と同じだと思うんです。まとめて掃除するよりは、『気づいたら拭く』を習慣づけているほうが、年末の大掃除も楽になりますよね。マッサージも日常に取り入れることで、血行を促すだけでなく、身体の些細な変化に気づきやすくなり、病気を早く見つけることにもつながるんです」

そして、一日の疲れを引きずらないようにすることがむくみ予防の基本。入浴で身体を温め、充分な睡眠をとる。当たり前だからこそ心がけてほしいと村田さんは語ります。

「お風呂はシャワーで済ますのではなく、ゆっくりお湯に浸かって温まれば血流が促進されるので、むくみの解消に効果的です。ただ、熱めのお湯はヒートショック(※急激な気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こること)を起こす可能性もあって危険なので、ぬるめのお湯からスタートして、足し湯で温めてあげると良いです」

疲れやストレスを感じる状況と、そこに必要なケアは人それぞれに違います。村田さんは趣味としてもアロマを嗜んでおり、生活には欠かせないのだといいます。

「ストレス解消できる趣味がほしいと思って『日常にアロマを取り入れませんか?』という民間のセミナーに参加してみたんです。もともとアクティブな性格ではないので、一人で好きな時にできて、香りも奥が深くて、なにより癒されるところに魅力を感じました」

同時に、悩みやストレスを抱えた患者さんのために看護師としてできることを模索していました。

「趣味の範囲ではなくきちんとした資格があれば、とりだい病院の患者さんにも施術できるのではないかと思ったんです。そこから臨床アロマセラピストの資格を取得しました。当初は産婦人科や小児科を対象にしていましたが、今では全病棟から外来まで活動の幅が広がっています」

村田さんは今日も依頼のあった患者さんのもとへ出向き、心身の回復のために尽力しています。

「患者さんの数だけ事情があります。癒されたい時はアロマの香りで癒し、むくんで足がしんどいのであれば、マッサージでケアをして。患者さんが求めているケアができるように、一人ひとりに向き合っています」

忙しさに追われていると気づかないうちに疲れは溜まっていきます。日々頑張っている自分自身を労って感謝して、自分が今なにを必要としているのか、どこが疲れているのか。疲れ果ててしまう前に心と身体に向き合って、「むくみ」のようなサインを見逃さないことが、健康維持への第一歩です。