新連載 鳥取大学医学科生=医師のたまご 略して とりたまに訊け!

取材・文 井野寿音
写真 中村 治


とりたまに訊け!

医学部には、他学部を卒業してから入学してくる人、社会人として働いてから医師を志す人など、様々なバックグラウンドをもつ学生がいる。石田智子もその1人。石田にとって鳥大は2回目の在学となる。

広島県の高校を卒業後、2006年に鳥取大学医学部生命科学科に入学した。医学部内の生命科学科ではヒトの疾患の研究ができることに魅力を感じ入学を決めた。幼少期に倉吉市に住んでいたことも鳥大を選んだ理由の一つだった。

大学卒業後は大学院に進み、難病の遺伝子の研究に従事。恩師の影響で生殖補助医療に興味を持った。大学院修了後は大阪の不妊治療施設に就職し、胚培養士として働き始めた。胚培養士とは患者から預かった精子と卵子を受精、子宮に戻すまでを担う仕事だ。

「6年間働いて、当時の高度生殖補助医療については全て習得した、やりきったと感じました」

そんな石田が次のステップとして選んだのは医師になることだった。

2022年、鳥取大学医学部医学科に編入。16年ぶりに鳥取大学の門をくぐったことになる。同時期、地域で高水準の医療を受けられることを目的とした医療用AIの会社を立ち上げている。

「みんなが行きたいと思う医療機関を作り、防げる病気は防ぐこと。これが私の考える地域医療なんです」

現在、彼女は神経変性疾患、特に認知症を診られる医師を目指している。神経変性疾患は生命科学科時代の研究テーマであり、亡き祖母も認知症を発症していたという。

「多くの人に、家族や大切な人と健康で長い時間を過ごして欲しい、だからこそ私は予防医療に未来を感じています」

医学部医学科2年 石田智子さん