痛みは我慢するものではありません。
「がんは苦しいもの、痛いもの」というのが、従来のがん治療の考え方でした。しかし今では、がんの痛み、あるいは治療によって生じる痛みや副作用は積極的に取り去ることを目標とします。
医療用麻薬の使用によってQOL(生活の質)の維持向上を目指します。
医療用麻薬による痛み治療で、きちんと痛みがなくなれば、通常の社会生活を送ることが可能となります。
医療用麻薬に対する偏見を持たないようにして下さい。
患者さんの痛みの状態に合わせて、NSAIDs、医療用麻薬(オピオイド)、ステロイド、鎮痛補助薬などを使用し、最大限痛みをとっていきます。
また、上記薬剤の他にも、痛みをとる方法として、緩和的放射線治療、神経ブロックなどがあります。
悪心・嘔吐は原因に応じて対処法が異なります。オピオイド(医療用麻薬)が嘔気の原因となる場合、腸管運動が弱っている場合、あるいは腸が何らかの原因で閉塞している場合等、それぞれの原因に応じて異なる薬剤を使用し改善を図ります。
寝て過ごすことが多くなるほど便秘気味になります。基本的には便が硬くなり、腸の動きが低下します。その対策として、便を柔らかくする薬や腸の動きを促す薬を使い便秘改善を図っていきます。
不眠にも種類があります。
患者さんの症状に合わせて緩和ケアチーム精神担当医(精神科医師)診断のもと、最も適した薬を用い不眠を解消していきます。
症状が進んでくると、痛みよりも「しんどさ」が生じてくることがあります。だるい、足が重い、体が落ち着かないといった様々な形をとります。
倦怠感に対してステロイドが有効です。その方の症状に合わせてステロイドの種類、量を調整していきます。
食欲不振も多くの患者さんに生じます。このような時「頑張って食べる」といったような精神論では対応不可能です。 管理栄養士とも相談して、できるだけ食べやすいよう工夫し、患者さんが食べたいと思うものを一緒に考えていきます。また食欲不振を改善するお薬についても適宜導入を検討します。
呼吸困難の緩和は、緩和ケアにとって重要なものの一つです。
モルヒネをはじめとする医療用麻薬(オピオイド)は、呼吸困難の緩和に重要です。その他、ステロイドや抗不安薬などを用いて呼吸苦を軽減させていきます。
胸水貯留に起因する呼吸困難の場合は胸水を抜く処置を行うことがあります。
気道狭窄症状があれば主科と連携して処置を検討します。
症状がすすむと多くの患者さんにせん妄が出現すると言われます。
内服が可能な場合、内服が出来ない場合など、患者さんの状態に応じて緩和ケアチーム精神担当医(精神科医師)の診察のもと、適切なお薬を使用していきます。
がんと診断された時、治療が長引く時など、様々な状況で不安やうつ状態になる方(患者さん・家族)は決して珍しくありません。
など様々な心の悩みに対して、精神科医や臨床心理士を始めとしたスタッフがご相談に応じます。
月、水、木 午前 初診・再診:倉吉和夫医師
火 午前 初診・再診:小谷昌広医師
金 午前 初診・再診:安部睦美医師(隔週)、倉吉和夫医師