脳神経外科

スポーツでは転倒や衝突により、頭部打撲を認める場合があり、当科ではスポーツに関連した頭部外傷について診察を行っております。

脳神経外科の受診が必要な場合

  • 脳神経外科ではスポーツに関連した頭部外傷について診察を行っております。スポーツでは転倒や衝突により、頭部打撲を認める場合があります。頭部打撲後の脳震盪は注意が必要な状態であり、脳神経外科の受診が必要です。
  • 脳震盪とは頭部打撲後の脳の障害による一時的な意識消失、記憶障害のことを言います。通常は時間と共に自然回復するものであり、脳自体の損傷はありません。しかしながら、繰り返し頭部に衝撃が加わった場合、脳に損傷を認める可能性もあります。後遺症が残ったり、脳出血を認めることもあります。
  • どのような競技でも起きるリスクはありますが、特に頭部外傷が多いコンタクトスポーツなどでは脳のメディカルチェックを行った方が良いと思われます。

繰り返し受傷することがないように注意

  • 1回の脳震盪であれば2週間で正常化しますが、繰り返すと長引いて慢性化します。頭部打撲により脳損傷が蓄積された場合は、症状が固定化することもあります。前回の脳震盪から完全に回復する前に2回目の脳震盪を起こしたときには、しばしば後遺症の原因となるような脳損傷が生じます。
  • 競技中に脳震盪を起こした場合は、すぐに受傷者は競技を終了し、安静にさせ、医師や医療スタッフの診察を受けることが必要です。

脳震盪後すぐに競技復帰してはいけない

  • 脳震盪を起こした場合、すぐに競技の復帰や練習を再開することはリスクを伴います。復帰に関しては徐々に負荷を上げていく、段階的復帰が必要です。
  • 段階的競技復帰プロトコール
  1. 体も頭も使わずに完全に休む
  2. 軽い有酸素運動
  3. スポーツに関連した運動
  4. 接触プレーのない運動
  5. メディカルチェックを受けた後に接触プレーを含む訓練
  6. 競技復帰

頭部打撲後に脳神経外科の受診が必要な場合

  • 頭部打撲後、軽症に見えても受診が必要な場合
  1. 意識消失
  2. 受傷前の記憶が無い、記憶障害
  3. 頭痛が長い
  4. めまい、ふらつき
  5. 麻痺、しびれ
  6. 性格の変化、認知障害
  7. 力が出ない、集中できない
  • 相談できる医師の確保や救急搬送先の事前調査など頭部打撲が発生したときの準備と、脳震盪に関する知識や対処方法をスタッフで共有しておくことが必要です。
  • 脳震盪を疑った場合のツールとして「CRT 5」があり、事前に確認しておくことも有用です。
脳震盪評価ツール CRT5 神経外傷 42 (1), 1-34, 2019
| 脳震盪評価ツール CRT5 神経外傷 42 (1), 1-34, 2019

スタッフ紹介

神部敦司

専門医・資格

  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本小児神経外科学会認定医