脳卒中・心臓病等総合支援センター概要

脳卒中・心臓病等総合支援センターについて

概要

2022年度の我が国の人口動態統計によると、脳卒中、心臓病等の循環器病は死亡原因の21.4%を占め、悪性腫瘍(がん等)の24.6%に次ぐ死亡原因となっています。さらに循環器病は寝たきりあるいは活動制限などを引き起こし介護が必要となる主な原因とにもなります。2022年の国民生活基礎調査によると、要介護となった主な原因は、脳血管疾患と心疾患を合わせると23.5%を占め、認知症の23.6%に匹敵します。要支援者までを含めると、脳血管疾患ないし心疾患が原因である方が21.2%を占め、認知症の16.6%を大きく上回ります。つまり循環器病は、平均寿命のみならず健康寿命にも大きな影響を与えてしまう病気です。

悪性腫瘍に対する対策を進めるための法律は2006年に「がん対策基本法」が制定されておりましたが、それから12年たった2018年に循環器病に対する対策を進めるための法律「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(いわゆる脳卒中・循環器病対策基本法)が成立しました。この法律の制定を受けて、すでに様々な活動が各都道府県を中心に開始されています。

その一環として循環器病の患者さん及びそのご家族への情報提供・相談支援等に対する総合的な取り組みを自施設で行うのみならず、都道府県及び地域の中心的な医療機関と連携し、同取組を包括的に支援できる体制づくりを目指して「脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業」が2022年度から開始され、鳥取大学医学部附属病院は2023年度のモデル事業に採択されました。

このたび、本モデル事業に基づく活動のひとつとして「脳卒中・心臓病等総合支援センター」を当院に設立し、脳卒中や心臓病等の循環器病に関する患者さんやご家族向けの相談窓口を設けました。また、県民の皆様、県内の医療従事者の皆様に向けて情報提供を行うための講習会の企画なども進めてまいります。これらの事業は鳥取県と緊密な連携を取りながら実行していくことになります。

相談窓口では、ご来院いただくかお電話での相談を承っております。循環器病の診療に関することのみならず就労支援、福祉サービス、介護、さらには心理的・スピリチュアルな問題も含め、患者さんご本人のみならずご家族からのご相談もお受けいたします。