骨盤内臓全摘術

診療科 消化器外科
英語術式名 Rob-TPE(Robot-assisted total pelvic exenteration)
保険適用
適応 骨盤内の悪性腫瘍

術式の概要

ここで掲載している動画は、実際の手術映像となります。このような動画や写真で、気分が悪くなる可能性のある方は、お気をつけください。
大腸の悪性腫瘍のうち、直腸ないしS状結腸に発生し、隣接する膀胱や前立腺にまで拡がった腫瘍に対し、本手術の適応が検討されます。対象となる臓器が大腸を越えて、尿路・生殖器(男性;膀胱・前立腺、女性;膀胱・子宮)に及ぶため、泌尿器科、女性診療科、麻酔科と密に連携した合同手術になります。消化器外科ではロボット支援直腸切断術に準じた手術操作を行います。泌尿器科ではロボット支援根治的膀胱全摘と前立腺全摘術を行い、女性患者ではロボット支援子宮全摘術を一期的に行います(詳細は各術式別の紹介をご参照ください)。骨盤臓器とともに腫瘍をひとかたまりに摘出するため、排便と排尿経路として2つの人工肛門造設を併せて行います。



長所・患者のメリット

骨盤内は狭く細長い空間に多くの臓器が集まっています。従来の腹腔鏡手術では困難だった骨盤の深い場所でも、ロボット支援手術では関節をもった鉗子を用いることにより、術者が意図する精緻な操作が可能になります。高画質な手術映像により神経や血管を認識しやすくなり、患者さまの身体への負担を最小化することが期待されます。 

当科の特徴

当院では低侵襲外科センターのもと、毎月2回、低侵襲手術を行う外科系診療科、他職種が集って疾患・臓器の垣根なく、最適な手術を熱心に議論しています。発足からすでに10年以上が経過しており、隣接する複数の臓器にまたがる腫瘍を抱えられた患者様に対して、他職種、他診療科で連携しながら低侵襲手術を立案、提供してきています。ロボット支援骨盤内臓全摘術はまだ一般的に行うことが認められた手術ではないため、当院では厳しい検討を重ねて、その適否を慎重に判断しています。