地域枠の一員として

私は特に目的意識も無く地域枠として鳥取大学に入学した。鳥取で生まれ鳥取で育ち鳥取で暮らすつもりであったし、医師に恵まれた鳥取県であるから、そう苦労することもなかろうと思っていた。だから目的意識も薄いまま4年生になり、地域実習で外病院へ出た際の衝撃は忘れられない。山間部に点在する家々。激坂を登る回診車。地域医療を熱く語る先生方。鳥取県にも病院から遠い地域が存在し、そこを必死で守る先生・関係者の方々がいる、その事実に心を打たれた。
私は来年から3年目として正式な医師となるが、診療科は放射線科であり地域医療にはお世辞にも貢献できる立場にはない。それでも同じ鳥取県で働く医師として、少しはお役に立ちたいと思う。いつか地域で診察する日々を夢見ながら。