日本小児血液・がん専門医研修施設研修プログラム

戻る トップ

日本小児血液・がん専門医研修施設研修プログラム

 

日本小児血液・がん専門医研修施設研修プログラム

研修施設名:鳥取大学医学部附属病院

運用期間:平成29年度~令和3年度

指導責任者:難波範行(鳥取大学医学部附属病院 小児科教授)

作成:令和2年4月1日

1. 研修対象者

小児血液・がん専門医を志す小児科医(小児科専門医取得前)

2. 研修期間

原則として24ヶ月月間

3. 一般目標

小児血液疾患および小児がんの子どもたちに,質の高い専門医療を提供するため,小児血液疾患および小児がん領域に関する幅広い知識と十分な経験および錬磨された技能を習得した医師を育成する。

4.指導医

研修責任者:奥野啓介

小児科:奥野啓介 (小児血液がん専門医・みなし指導医)(血液専門医・指導医)(がん治療認定医)

奥野啓介 (小児血液がん専門医)(血液専門医・指導医)(がん治療認定医)

小児外科:高野周一 (小児外科専門医)(がん治療認定医)

放射線科:藤井進也 (放射線診断専門医)                                                      

            谷野朋彦  (放射線治療専門医)

病理部:堀江靖 (病理専門医)

小児がん・小児血液疾患診療に関わるその他の部門の指導医

眼科:馬場高志

血液内科:福田哲也

耳鼻咽喉科:福原隆宏 

整形外科:山家健作 

脳神経外科:神部敦司 

脳神経小児科:山田博之

泌尿器科:竹中篤 

皮膚科:吉田雄一

5. 研修場所

研修施設は,鳥取大学医学部附属病院であり,以下の要件を満たしている。

1)造血器腫瘍・固形腫瘍(骨肉腫・脳腫瘍を含む)・非腫瘍性血液疾患の診療

2)造血幹細胞移植

(骨髄移植推進財団認定施設および臍帯血バンクネットワーク登録施設)

3)小児外科治療(小児外科専門医が常勤で在籍)

4)放射線治療  (放射線治療専門医が常勤で在籍)

5)病理診断    (病理専門医が常勤で在籍)

6. 行動目標

1)下記の研修単元大項目およびこれに関連して別紙「日本小児血液・がん学会専門医カリキュラム」に規定されている詳細事項についての知識・態度・技能を習得する。

1.血液学総論

2.赤血球

3.白血球

4.免疫異常

5.血小板

6.凝固

7.腫瘍学総論

8.造血器腫瘍

9.固形腫瘍

10.脳脊髄腫瘍

11.治療学総論

12.輸血療法

13.細胞療法

14.緩和医療

15.晩期障害長期合併症

16.倫理・研究

2)以下の資格を取得していない場合には,研修終了までに取得する。

(1)日本小児科学会小児科専門医

(2)以下の資格の少なくとも一つ

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

日本血液学会血液専門医

7.学習法略(臨床経験・知識の習得・習慣の習得)

1) 指導医のもとで診療チームの一員として下記に挙げる小児血液疾患

および小児がん各疾患の診断・治療を経験する。

(1)造血器腫瘍:急性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,悪性リンパ腫

(2)固形腫瘍:神経芽腫,肝芽腫,腎芽腫,胚細胞腫瘍,脳腫瘍、

骨軟部腫瘍(横紋筋肉腫,ユーイング肉腫,PNET,骨肉腫)

(3)非腫瘍性血液疾患:赤血球疾患(鉄欠乏性貧血を除く)、

非腫瘍性白血球系疾患,血小板異常,凝固障害

2)上記1)に挙げる各疾患の診断・治療の経験に際しては,下記に挙げる

病態のどれかに偏ることなく,幅広く各病態を経験するように努める。

(1)腫瘍性疾患(造血器腫瘍および固形腫瘍)の場合には,

① 初発未治療患者の診断と治療を行った症例

② 再発患者の再発直後の入院治療を行った症例

③ 終末期の症例

(2)非腫瘍性血液疾患(先天性・後天性凝固障害,鉄欠乏性貧血を除く赤血球疾患,非腫瘍性白血球系疾患血小板異常,輸血合併症,免疫不全症など)の場合には,

① 初発未治療患者の診断と治療を行った症例(入院・外来を問わず)

② 合併症治療や特殊治療を行った症例(例えば感染症のための入院,造血幹胞移植,出血性疾患では手術や外科的治療の止血管理のための入院,免疫学的治療など特殊な治療での入院,外来での止血管理など)

3)指導医のもとで診療チームの一員として造血幹細胞移植に関わる下記の診断・治療を経験する。

(1)同種造血幹細胞移植

① 同種造血幹細胞移植治療

② 同種造血幹細胞移植ドナーからの骨髄採取と細胞処理

(2)自家造血幹細胞移植

① 自家造血幹細胞移植治療

② 自家造血幹細胞移植のための造血幹細胞採取と保存

4)上記1)~3)に述べた経験症例については,専門医申請に必要な個別症例票を15例記載する必要があるため,以下の10例は必ず経験する。

(1)造血器腫瘍3例:急性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,悪性リンパ腫の中からいずれかを3例経験する。

(2)固形腫瘍3例:神経芽腫,肝芽腫,腎芽腫,胚細胞腫瘍,骨軟部腫瘍,脳腫瘍の中からいずれかを3例経験する。

(3)非腫瘍性血液疾患3例:赤血球疾患(鉄欠乏性貧血を除く),非腫瘍性白血球系疾患,血小板異常,凝固異常の中からいずれかを3例経験する。

(4)同種造血幹細胞移植症例1例

5)指導医のもとで診療チームの一員として,院内倫理審査委員会で承認された臨床研究を経験する。

(1)臨床研究への参加に関する説明を行い,同意を取得する。

(2)臨床研究による治療,評価を行う。

(3) 臨床研究の実践に関わる手続き(登録,調査票作成・提出など)を行う。

6)小児血液疾患および小児がんに関わる研究活動に参加する。

(1)日本小児血液・がん学会が研修実績として認定する学会やセミナーに参加する。これらは専門医受験申請までに合計研修単位が100単位以上となるように2年間での研修参加を調整する。

(2)日本小児血液・がん学会が学術業績として認定する学会発表を,筆頭演者として2年間で3件以上行う。(例:筆頭演者としての発表1件以上を含め,共同演者を含めた学会発表を3件行う。)

(3)日本小児血液・がん学会が学術業績として認定する原著論文を,筆頭著者として2年間で2編,共著者として1編作成する。(例:筆頭著者としての原著論文1編以上を含め,共著者を含め3編作成する。)

(4) 院内臨床研究の立案,実行に協力する。院内倫理審査委員会に出席する。

(5)院内がん登録,日本小児血液・がん学会の疾患登録・TRUMP などの登録作業を行う。

7)小児血液疾患および小児がんに関わる院内医療従事者とのカンファランスに参加する。また院内医療従事者に対する教育・指導を行う。

(1)診療に関わる基本的事項の指導を行う。

(2)症例に関わるプレゼンテーションを行う。(小児がんカンファランス,緩和ケアチームとのカンファランス,こども療養支援者や教育支援者とのカンファランスなど)

(3)診療に関わる基本的事項の講義を行う。

8)小児血液・がん専門医取得に必要な以下の専門医を取得するための準備を行う。(すでに取得している場合には不要である)

(1)日本小児科学会小児科専門医

(2)日本がん治療認定医機構がん治療認定医/日本血液学会血液専門医

9)小児血液・がん専門医を取得するための準備を行う。

(1)必要経験症例30例以上の一覧を作成する。

(2)15例の個別症例票を記載する。

(3)小児血液・がん学会が指定する学会,セミナーへ出席し,合計研修単位100単位以上を証明する出席記録(参加証の写しを添付)を作成する。

(4)小児血液・がん学会が指定する学会発表3件のリスト(抄録の写しを添付,筆頭演者としての発表1件以上を含むこと)を作成する。

(5)小児血液・がん学会が指定する論文3件のリスト(論文表紙(表題,著者,所属,要約を含む)の写しを添付,筆頭著者としての原著論文1 編以上を含むこと)を作成する。

8.主な予定

小児がんカンファランス(多職種合同)

  毎月1回(日時調整)(17:00~)

入院患者 カンファランス (総回診) 

  毎週火曜日(14:00~)

外来患者・血液腫瘍 カンファランス

  毎週水曜日(16:00~)

入院患者 カンファランス

  毎週金曜日曜日(16:00~)

週間予定      
  午前 午後 夕方以降
病棟診療 病棟診療  
病棟診療 教授回診  抄読会
    入院患者カンファレンス  
血液腫瘍外来 長期フォロー