頭頸部癌のうち多くは扁平上皮癌と呼ばれるタイプで、比較的放射線がよく効く癌ですので、初期の喉頭癌などでは放射線治療単独で根治することもあります。しかし多くの進行癌では根治しないことが多く、抗癌剤と組み合わせたり、術後の再発予防に用いたりします。化学療法(抗癌剤)は頭頸部癌では他がんと比べて効果的なことが多いものの化学療法単独での根治は困難で、手術治療や放射線治療の補助療法として用いられます。術後や再発時の維持療法として用いることもあります(化学療法外来)。これらを考慮しつつ患者・家族と相談し、治療方針を決定します。
2013年1月より、当科で手術ロボットを用いた経口的咽喉頭癌切除術を開始しました。口からロボットを導入し、咽頭内腔より癌を切除する手術であり、嚥下(飲み込み)機能を温存できるメリットがあります。現在は、中咽頭癌・下咽頭癌・声門上癌の早期癌に行っています。
詳細は、鳥取大学医学部附属病院低侵襲外科センターHPをご参照ください。
一般的に年齢を重ねるにつて、嚥下機能は低下していきます。その他にも脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、パーキンソン病や多系統委縮症などの変性疾患、胸部大動脈瘤などの循環器疾患といったさまざまなものが嚥下障害の原因となります。嚥下外来では、実際に喉の状態を内視鏡で診察したり(VE:内視鏡下嚥下機能検査)、X線での検査(VF:嚥下造影検査)を行うなど、嚥下機能の評価を行います。1年間の検査数は、VF検査で450回~500回/年と、全国の病院でも屈指の数です。また、嚥下改善術や誤嚥防止術などの手術治療を行います。
詳細は、嚥下外来のHPをご参照下さい。
反回神経麻痺のため声帯が動かなくなると声がかすれます。声帯を声を出すときと同じ位置に移動させる手術(甲状軟骨形成術、披裂軟骨内転術)を行うと、声のかすれが改善します。